すべての住民がヴァカンスを楽しむように暮らせる街

この街を散策する最強のパートナーは自転車だ。点在する歴史的建築物をめぐったり、心地よいプールやビーチを探してまわったり。たとえば目抜き通りのランブラスでは中央の広いエリアが歩行者用、その脇が自転車専用レーン、さらに狭い側 […]

09/02/2013

この街を散策する最強のパートナーは自転車だ。点在する歴史的建築物をめぐったり、心地よいプールやビーチを探してまわったり。たとえば目抜き通りのランブラスでは中央の広いエリアが歩行者用、その脇が自転車専用レーン、さらに狭い側道が車と、日本とは逆の序列で交通が整理されている。住民になにが求められているのか。歴史上、幾度となく重ねられたこの街の都市計画は、つくづく正しかったとあらためて感じさせられる。1934年に市で認められた「マシア」と呼ばれる都市再生計画には、「30万人のためのヴァカンス」を実現するような生活空間をつくる、という目標が明記された。
すべての住民がヴァカンスを楽しむように暮らせる街。この思想は現代にもたしかに受け継がれている。バルセロナに住民の集う公園や広場がとりわけ多いのはその現れだ。
旧市街のラバル地区はいまでこそ観光客も訪れる場所だが、かつては貧困層の人々の住み家が密集していたとか。80年代、このエリアの改造が街全体を活性化させると考えた市は、建物が密集するラバルに大変革をもたらす。陽当たりの悪さを一層するため一部の老朽化した建物を除去。これで近くのバルがオープンテラスを開けるスペースができた。さらには現代美術館「MACBA」や文化センター「CCCB」を建設し、周囲には憩いの場となるスペースを計画的に設置。モダンデザインの集積地としてのイメージも定着した。街を案内してくれた写真家のアルバも、こんな印象を語ってくれた。
「ビーチも近いし、雑踏と古い建物、きれいなデザインが入り乱れるような感じがあってこのあたりはおもしろい。パワーのあるエリアだから若い写真家や画家の友だちも、住みたいっていう人が多い。広場にはいつも活気があるしね」
» PAPERSKY’s BARCELONA | SWIM Issue (no.42)