アールトの目指した「有機的モダニズム」|Alvar Aalto

20世紀モダニズムの巨匠として知られるアルヴァ・アールトはフィンランドを代表する建築家。1898年に生まれ、ユヴァスキュラで少年時代を過ごしたアールトは1916年から22年までヘルシンキ工科大学で建築を学んだ。卒業後はユ […]

10/13/2015

20世紀モダニズムの巨匠として知られるアルヴァ・アールトはフィンランドを代表する建築家。1898年に生まれ、ユヴァスキュラで少年時代を過ごしたアールトは1916年から22年までヘルシンキ工科大学で建築を学んだ。卒業後はユヴァスキュラやトゥルクに事務所を構えた後、33年にヘルシンキに戻り、以後ずっとこの街で暮らしながら仕事を続けた。その彼が自ら設計した住まいとアトリエが今も市内西端のムンッキニエミ地区に残されている。55年に新アトリエが建てられるまで自宅兼事務所として使用した自邸は、小ぢんまりとしてシンプルなモダン住宅。彼の愛用した作業机のほか、初任給で買ったソファと妻が使ったピアノが置かれたリビングなど一家の落ち着いた暮らしが伝わってくる。そこから歩いて15分ほどの場所にあるアトリエは現在、アールト財団のオフィスになっている。野外劇場のような傾斜をもつ中庭の上部に面した2階の作業スペースは、大きな開口部からたっぷりと光を取り入れた気持ちよい空間。多くのモダニズム建築が直線的な立方体をベースに鉄・コンクリートなどの素材を多用したのに対し、アールトは大胆に曲線を取り入れながら木材を駆使、それは「有機的モダニズム」とも呼ばれた。
彼が学んだヘルシンキ工科大学が2010年に他2校と統合されてできたアールト大学では、近年、木材の特性や構造など広範に学びながら手を動かし、実験を重ねる「ウッドプログラム」が行われている。厳しくも美しい自然と向き合い、調和しながら暮らすフィンランド人の伝統的な生活をデザインに反映させ、国家の近代化に貢献したアールトの思想は、今もしっかりと受け継がれている。
Studio Aalto
www.alvaraalto.fi/studioaalto.htm
 
» PAPERSKY #48 Finland | Wood Issue