死ぬまでに会いたい人|PAPERSKY book club

相変わらず「死ぬまでに一度は行きたい〇〇」だとか、「Once in a Lifetime:〇〇」といった本がたくさん出版されているけれど、あまのじゃくな僕は本に載っているならもう行く必要ないじゃんか、って思ってしまう。 […]

05/12/2014

相変わらず「死ぬまでに一度は行きたい〇〇」だとか、「Once in a Lifetime:〇〇」といった本がたくさん出版されているけれど、あまのじゃくな僕は本に載っているならもう行く必要ないじゃんか、って思ってしまう。
じゃあわざわざどこに行きたいかと考えたら、それは場所じゃなくて人なんじゃないかと思う。すごく親しい人か、全くわけのわからない人に会いに行く。中でも『WILDER MAN』(なぜか日本語のタイトルは「ワイルドマン」)なる、動物なんだか人間なんだかわからない彼らには、死ぬまでにぜひ会ってみたいリストの上位にいる。冬の間、ヨーロッパの各地で開催される伝統的な祝祭の儀式に登場する彼らは、動物の毛皮や、木の枝や葉で覆われた装束を身にまとって、たいていは武器だか農具か判別しづらいものを手に持っている。フランス人写真家、シャルル・フレジェは160体以上のワイルドマンを捕獲、じゃなくて撮影してこの写真集を発表した。一見、日本全国に溢れるゆるキャラのように好き勝手やっているように見えるが、それぞれの格好には元となる動物や神話があり、彼らが出現する理由も(「新しい年がみんなにとって幸福でありますように。」とか「収穫を祝い、若い娘に力をもたらす」とか)、日程も明確に決められているという。
フレジェは以前、日本の力士を撮った写真集『RIKISHI』を発表していた。ヨーロッパのワイルドマンと日本の力士、確かに伝統と結びついた生き方と出で立ちというところが共通している。そういえばなかなか会えないサンタクロースも仮装の怪人ですね。
WILDER MANN シャルル・フレジェ 青幻舎 3,990円