アドリア・カナメラス|バルセロナの写真家 水のある風景 4

アドリアは若くして、音楽にまつわる写真でその名を成した。これまで関わったのはスペインのフォークシンガーRussianredやエレクトロニカ系のDELOREAN、サイケデリックポップのEl Gunchoなど。彼は昔からいま […]

04/10/2014

アドリアは若くして、音楽にまつわる写真でその名を成した。これまで関わったのはスペインのフォークシンガーRussianredやエレクトロニカ系のDELOREAN、サイケデリックポップのEl Gunchoなど。彼は昔からいままで、人間の「リアル」な心象に惹かれている。
「もちろん音楽が好きで最初はライヴに通いながら写真を撮っていた。いまではミュージシャンの日常に興味があってよく写真を撮っているよ。音楽に限らず、いま、僕の興味は一見、シンプルで特別じゃないシーンにある。とてもリラックスして見えるふつうのシーンなんだけど、それこそが特別なんだってことに気づいた。つくりこんだシーンっていうのは好きじゃない」
今年最大のテーマは労働者。働く人のポートレートや道具を丹念に撮りつづけ、作品集にまとめたいと話す。そういう彼自身もきわめて真面目な労働者だ。父親が街でも人気のカフェ「LA NENA 」のオーナーであることから、15歳のときにパティシエの修業を始めたというアドリア。いまでも写真の仕事を続けながらしばしば店でお菓子をつくる。
「ホットチョコレートとか、ケーキとかをお客さんに出すのは楽しいよ。写真もそうだけど、店に出ることで毎日たくさんのことを学んでいる」
日常や働くことに、愛情と好奇心の矛先を向けつづける。注意深く目を向ければ、誰の身のまわりにもハッピーな出来事がたくさん潜んでいると、彼は信じているのだ。
バルセロナで最もお気に入りの場所はと問うと、こんな答えが返ってくる。
「ティビダボの山だね。ここでは誰でも知ってる場所だけど、山だけじゃなく、海と街がすべて眺められる。本当に静かですばらしいんだ。ティビダボに行くといつも、ここに住んでいてよかったと感じるよ」
 
アドリア・カナメラス Adria Canameras
1988年、フランス人の父とスペイン人の母の間に生まれる。ミュージシャンのCDカバーフォトのほか、『Dazed andConfused 』『The Plant J ournal 』『Rolling Stone 』『Nylon 』『apar tamento 』などの雑誌で写真を担当。9月には写真集『Anna e t S alome 』を刊行予定。