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Issue 71

MIYAKO ISLANDS of OKINAWA
Living as a Local

[ ゲスト ]
松本妃代
加藤雄太

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旅先として国内随一の人気を誇る沖縄・宮古島。リゾートとしての魅力はもちろんのこと、大小8つの島で構成されたこの島には長い歴史と深い文化があります。 澄んだ海をはじめとする大自然、歴史とともに培われた特有の文化、そしてそこで生きる人々。 そんな宮古島をより心に刻むために、暮らすように旅してみたらどうだろうか。

ある日は、島のスーパーで買い出しをしたら、近くのビーチまで散歩。
ある日は、洗濯物を干し、床屋で髪を整えて、島の映画館で夕涼み。
ある日は、図書館で借りた本を携えて、友人とディナーへ。
ある日は、宿へ島の人が遊びに来て、お茶を片手にじっくりお喋り。

宮古島の文化を体感しながら、日常のあらゆることを1週間。
少しでもその土地に根を下ろした気分で、 インスピレーションを受け、分かち合い、思いやる。
旅の後の人生に続く「暮らしの旅」を。

Editor’s Letter

No.71 — MIYAKOJIMA ISLANDS of OKINAWA(2024) 

暮らしの旅

文:ルーカス B.B.


今号では地球上で最も美しい場所のひとつ、沖縄県宮古島を探検する旅に出た。

月曜日から旅をスタートさせ、まずは多くの宮古島人がするように御嶽を訪ねた。この土地のスピリットに敬意をはらい、その存在に挨拶をする。旅はここから始まった。翌朝、滞在している赤瓦の家に掛けられた日めくりカレンダーをめくる。火曜日だ。「HASABA COFFEE」で焙煎したてのコーヒーを味わい、「長崎たまご園」でオーガニック卵を調達し、ゴーヤチャンプルーをつくった。それから持参した吉本ばななの文庫本を数ページ読み、仲間としばし談笑した後、散髪でもしようかと町に出る。

この日、最後の客だったようで、床屋の主人は僕らを釣りに誘ってくれた。釣り糸を垂らしながら夕日を堪能し、地元のアーティストで友人の新城大地郎を迎えるため帰路に着く。大地郎は伝統的な織物、宮古上布を身にまとって現れた。泡盛を飲み交わし、満天の星空の下であくびをして大きく伸びをするとベッドに向かった。

水曜日、木曜日と、暦をめくり、島の人々との出会いや出来事を回想する。そして気づけば、日曜日。

今回の旅の目的は、「ローカルのように暮らす」こと。島の自然や文化、人々をとおして、暮らしのヒントを吸収していくのだ。そして、宮古の島々のより深いところへと入っていく。7日間の旅を終えたころには、僕らも島の風景の一部となり、「暮らしの旅」の本質に触れられる。

滞在中の日課として、宮古島市立図書館を訪ねた。宮古島や沖縄の郷土資料や書籍が充実したフロアがあり、そこで僕は、約600年前、沖縄諸島と奄美群島には3人の王の存在があり、ふたつの強国に統治されながらも、500年もの間、調和を保ち共存していたことを知った。そしてこの地域は、日本、中国、タイ、インドネシアなどからもたらされた物資やアイデア、音楽、食、文化の坩堝となり、琉球王国の洗練された文化が築かれていったことも知った。

この多様で創造的な琉球王国の心部に触れられるのが宮古島だ。「暮らす旅」の体験と島の歴史、知識が絡み合い、僕はこの土地の過去、現在、未来と結ばれたように感じ、鳥肌が立った。まるで島と一体となったような感覚だった。

今号はアーティストの松本妃代さんと写真家の加藤雄太さんをゲストに迎え、ローカルのように島の日常を探検した旅。ぜひあなたもゲストと同じような視点でページをめくってみてほしい。

Soundtrack

MIYAKO ISLANDS of OKINAWA

PAPERSKY Soundtrack For Travelers
旅する音楽 宮古島編

このプレイリストは、これから旅に出る人たちのために選んだ、架空の旅の音楽。『スケッチ・オブ・ミャーク』という映画で宮古島に口伝される音楽を追ったドキュメンタリー映画が発表されてから、はや12年。宮古島にとって音楽とは、単に娯楽として”聴く”ものだけでなく、アーグ(古謡)や神歌と呼ばれる唄や、クイチャーと呼ばれる踊りの音楽(ダンスミュージック!)まで多種多様に存在します。そんな民謡を超えた伝承音楽のリアルな録音から、それらをモダンにアレンジした現代版まで、入門編としての宮古島BGMをどうぞお楽しみください。

Selected by:
GOOD NEIGHBORS’ MUSIC VENDER
鳩貝建二 (BAGN Inc.)

  1. NARIYAMA AYAGU feat. 石嶺聡子 (Phil Mison Remix) / Okinawa Delays
  2. おぼろ月の涙 feat. 池原千晴 (Cicada’s Ambience Mix) / HAKASE-sun
  3. クバラパーズ・クイチャー / 喜納昌吉 & チャンプルーズ
  4. 宮國のクイチャー / 宮國米男
  5. 漲水のクイチャー / 国吉源次
  6. コイナーユンタ / 大浜みね, 大浜博起, 通事安京 & 比屋根孝子
  7. 根間ぬ主 / 古堅宗雄 & 新里 敏
  8. KUNNU-SHOO / Satoru Shimoji
  9. SHIRATORINU ARGU / Miwa Yonashiro & Seigo Matsunaga
  10. なりやまあやぐ / 砂川恵理歌

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