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Tour de Nippon

ニッポンの魅力再発見の旅
焼津

カツオやマグロで有名な焼津港とシラスや桜エビが揚がる大井川港、日本屈指の漁獲量を誇る漁港の町、焼津。丘陵や川に囲まれ、水資源も豊富で良質な温泉も多い。気候は温暖で人柄は陽気だ。港町という言葉が似合う、オープンであたたかい雰囲気は、国内はもちろん、遡ると小泉八雲をはじめ海外の人をも魅了してきた。海、川、山とともに生き、感謝する焼津の人たちには自ずと禅のスピリットが備わっているのかも。そこに暮らすよう、ありのままに、深呼吸。焼津に流れる時と風を感じて、心がほぐれ整う旅へ。

08/24/2022

八雲が愛した焼津の人柄は今も


八雲が滞在時に世話になった魚商人の山口乙吉をはじめ「率直、親切、正直」な焼津の人と過ごすと、堅物の八雲も笑顔で素の自分でいられたとか。朝の「サスエ前田魚店」は新鮮な魚介で溢れ、それを運ぶ人、捌く人で忙しそう。そのなかでひときわ目を惹く人が前田尚毅さんだ。魚を鋭い眼差しで目利きし、仕入れにきた料理人らと子どものようにはしゃぎ、お客さんに優しい笑顔を向ける。今や世界の名レストランから求愛される彼の目利きだが、干物や旬の刺し身など地元の人にも愛される魚店だ。「漁師、料理人、お客さんをつなぐ命のバトンリレーをしている」と話す前田さんの「人間が唯一何も関わっていないもの、魚だ」という言葉に、妙な納得感を覚えた。焼津は海、川、山に近く、魚という人間がおよばない自然に接している。だからこそ八雲も愛した焼津の人の人間性が生まれるのかも、と。

そんなことを思いながら、前田さんのバトンを受け取る料理人のひとり、「茶懐石 温石」の杉山乃互さんのもとへ向かった。焼津の魚介をフルコースで味わえると、2ヶ月先まで予約が取れない人気店だ。大きな一枚木のカウンターは彼らの魚への思いやストーリーを味わうのに最適だ。閉店後に前田さんと料理法を議論する「夜な夜な会」を経てできあがる魚料理は滋味深く、禅僧が修行中に寒さと空腹をしのぐために抱いたという温石のように心をほぐしてくれた。そして、時を経ても変わらぬ普遍的な焼津の魅力に気づけそうな予感がしていた。

焼津港で揚がったばかりの美しく新鮮な魚たち
「魚という命のバトンをつなぐのが役目」と前田さん
「温石」では料理人の技と魚の風味を目の前で堪能できる
金目鯛に最高の火入れを。「温石」のシグネチャーディッシュ(写真:松川真介)

【参加募集開始間近!】
潮風香る港町を巡る、心整う旅へ
ツール・ド・ニッポン in 焼津
2022年9月24日(土)・25日(日)の週末に開催

駿河湾と富士山を眺めながら焼津の魅力を味わい尽くします。1日目はフィッシング。釣り女子の三浦愛さんと船釣りへ。釣れた魚に感謝して焼津を味わう夜ごはん。2日目はバイク&ハイク。焼津の美食をつまみ食いしながら花沢の里まで浜辺をサイクリング。満観峰ハイクの後は「林叟院」で坐禅体験を。最後は「黒潮温泉なかむら館」で汗を流してリラックス。さあ、自然と触れ合い深呼吸して体も心も整う旅へご一緒しましょう。

PAPERSKY TOUR DE NIPPON
PAPERSKY ツール・ド・ニッポンは、「日本の魅力 再発見」をテーマに、PAPERSKYが企画・提案するツアープロジェクト。その土地の魅力ある文化、暮らし、自然、食、そしてそこに暮らす人々との出会いを求めて、自転車に乗って日本各地を旅しています。
text | Miyako Shimba photography | Shinya Rachi special thanks | Yaizu City