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New York Doughnuts ドーナツが丸い理由は?

ドーナツといえばアメリカって感じがするけれど、じつは17世紀にオランダからの移民とともに持ちこまれたお菓子で、ただし穴が空いたのはアメリカに来てかららしい。爆発的に普及したのは第1次大戦中に救世軍が「ドーナツ・ガールズ」 […]

12/19/2012

ドーナツといえばアメリカって感じがするけれど、じつは17世紀にオランダからの移民とともに持ちこまれたお菓子で、ただし穴が空いたのはアメリカに来てかららしい。爆発的に普及したのは第1次大戦中に救世軍が「ドーナツ・ガールズ」を組織して兵士たちに配ったから。戦争が終わってからも彼らはドーナツが忘れられず、その欲望が全自動ドーナツマシンを生みだし、ニューヨークのBroadwayと45th Ave.の角にMayflowerというドーナツショップができて、そこはドーナツコーナーと呼ばれるようになった。
時は流れて2012年。東京でスタイリストを8年くらいやった後、NYに渡り早10年、KIOSKという雑貨屋を立ち上げから手伝い、『世界の台所ニューヨークを食べ、歩く』という本も著した松尾由貴さんには、近所にふたりの友人がいた。コピーライターのナオミさん、イラストも描くグラフィックデザイナーのジム。3人に共通するのは無類の食いしん坊だということ。松尾さんはふたりの大好物のドーナツでふたりを釣り上げ、All-You-Can-Eat Pressなる出版社を立ちあげた。第1弾の出版物は『New York Doughnut Map』。ニューヨークに点在する35軒のドーナツショップを実際に訪ね、食べて、撮って、書いて、一枚の地図にした。ドーナツ豆知識もあって、上に書いたドーナツの歴史もその受け売りだ。松尾さんがいちばん好きなブルックリンのPeter Panに連れていってもらい、オールドファッションとコーヒーを頼む。しっかり甘めで生地はさっくり、素朴でクラシックなアメリカンドーナツ。きっと何十年も同じ味でつくりつづけているんだろう。松尾さんがドーナツを好きな理由をひと言でと頼むと「丸いので何等分にもできるから」ってピースな答えに嬉しくなった。
『New York Doughnut Map』 All-You-Can-Eat Press 840円
allyoucaneatpress.com