漁師町に生きる禅スピリット
焼津にはちょっと寄るだけでなく、できれば滞在してみてほしい。かつてマグロ船を有し焼津港の発展に貢献したという旧服部家は、宿兼コミュニティスペース「帆や」として生まれ変わった。また、焼津内港地区では漁具倉庫を活用したコワーキングスペース併設のテレワーク拠点「焼津PORTERS」がまもなく誕生。水産業の資産を活かした新しい取り組みが、焼津の過ごし方の選択肢を大きく広げることだろう。
シラール・マリオさん、紀子さん夫妻が講師の「ゼントラ・ヨガ」には老若男女、初心者、さまざまな国の人が集う。併設されたカフェのビーガン料理やインド家庭料理で体もデトックス。ヨガの聖地、南インドのカフェのように、誰もが目的なく訪れてはリラックスできる場所だった。「意識を呼吸に向けて。生きている喜びを実感できるよ」と微笑む夫妻の言葉に、我々も大きく深呼吸。
その後、導かれるように高草山の麓、林叟院へ。先代住職、鈴木俊隆師は、アメリカ西海岸に渡って禅の精神を海外に伝え、その思想はスティーブ・ジョブズにも深い影響を与えた。「禅は修行ではなく、日常のなかにある。ただ呼吸に集中し、今を感じること」と説く副住職の鈴木俊呉さん。そうか、焼津で過ごすと心がほぐれ、気づきやインスピレーションが降りてくるのは、図らずも禅の心で暮らしている人たちがつくり出す町だからではないだろうか。日々、自然に対峙し、集中し、感謝する。港のようなオープンな心でまっすぐに生きる。世界に誇る禅の精神が根づくこの町はこれからも面白味を増していく、そう確信した。八雲のように深呼吸して今ここにいることを味わう。これが焼津ステイケーションのおすすめスタイルだ。





【参加募集開始間近!】
潮風香る港町を巡る、心整う旅へ
ツール・ド・ニッポン in 焼津
2022年9月24日(土)・25日(日)の週末に開催
駿河湾と富士山を眺めながら焼津の魅力を味わい尽くします。1日目はフィッシング。釣り女子の三浦愛さんと船釣りへ。釣れた魚に感謝して焼津を味わう夜ごはん。2日目はバイク&ハイク。焼津の美食をつまみ食いしながら花沢の里まで浜辺をサイクリング。満観峰ハイクの後は「林叟院」で坐禅体験を。最後は「黒潮温泉なかむら館」で汗を流してリラックス。さあ、自然と触れ合い深呼吸して体も心も整う旅へご一緒しましょう。