佐々木愛さんとスイスの風景のなかへ。画家が描いたアルプスの風景に出会う旅
アルプスの麓、スイスには、画家たちを魅了してきた数々の風景があります。 大自然のなかに飛び込み、その美しい風景を表現してきた画家たちの世界。 今号では、彼らの見た風景を求めて、スイス各地を訪ねる旅をご紹介します。旅のナビゲーターは、国内外で作品制作を続けるアーティスト、佐々木愛さん。 画家たちとゆかりのある町を歩き、風景に出会い、眺めのよい宿に滞在しながら、作品の裏側に広がる風景を楽しむ旅に出かけましょう。
Editor’s Note
No.54 — SWISS(2017)
スイスの風景のなかへ、エスケープ
文:ルーカス B.B.
PAPERSKYはまちがいなく、スイスが好きだ。手つかずの湖、雄大な山、健全な森、愛らしいワイルドフラワーが咲き、ミネラル豊富な水(世界で最もクリアでミネラル分の多い飲料水としてランキングされている)がある。スイスは、そうした大自然の恩恵にあずかり、その自然を崇め守り続けてきた国だ。スイスのすばらしい自然環境を見れば、この国の社会が「すぐれたバランス状態」を保っている理由もわかる。そこで僕らはこの国の並外れた美しい風景をテーマに、スイスを旅することにした。
本号の特集を組むにあたり、僕らにはシンプルな問いがあった。どうして画家たちは、スイスの象徴的な風景を描いたのか? そこでまず、僕らはスイス出身、またはスイスに暮らした画家をリサーチし、彼らの描いた作品リストから牧歌的なスイスの風景を選び出した。僕らが選んだ画家は、フェルディナント・ホドラー(P.32)、パウル・クレー(P.34)、フェリックス・ヴァロットン(P.36)、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー(P.38)、アロイス・カリジェ(P.40)、ジョヴァンニ・セガンティーニ(P.42)。彼らの作品を手がかりに、その美しい景色が描かれた場所を探していった。そしてようやくそのポイントを突き止めると、今回の旅が始まった。
僕らは画家たちにインスピレーションを与えた風景を求め、北へ、西へ、東へ、南へ、スイス各地を移動した。高山から湖、歴史的な町から小さな村まで、地域によって異なるカルチャーがあり、訪れた地域のなかで4つのエリアにはユネスコの世界遺産があった。こうして僕らは傑作を生んだ土地に立ち、新たな視点でその風景を眺めると同時に、今ここに生まれる、大自然の計り知れないパワーを受け取ったのだ。さあ、ページをめくって、自然へ還る旅へ出よう!
Soundtrack
SWISS
PAPERSKY Soundtrack For Travelers
旅する音楽 スイス編
これから旅に出る人たちのために選んだ、架空の旅の音楽「PAPERSKY Soundtrack For Travelers 旅する音楽」。SWISS | Landscape Art 特集に合わせてセレクトした珠玉のサウンドトラックです。
Selected by:
GOOD NEIGHBORS’ MUSIC VENDER
- THE SHOW HAS BEGUN (Live at Montreux) / Marlena Shaw
- LITTLE BIRD / Elsie Bianchi Trio
- TABOO / The Swedish Modern Jazz Group
- JAPAN SUITE (Live at Zurich Jazz Festival) / Metronome Quintet
- THE GIRL FROM IPANEMA (Live at The Montreux Jazz Festival) / Ella Fitzgerald
- ALEGRIA / Pierre Cavalli
- COMING HOME / Levin
- ALL THAT IS NOW / Lexx
- STELLA / Andreas Vollenweider
- WHEN I’M HOME / Melodiesinfonie