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Day3 | 古い交易路をたどって、ついに海に到着する

ハイク最終日は陽明山から海まで25kmを一気に歩きとおす計画で、この日はエヴァンの友人で、ゴールの金山で海辺のカフェを営むダーQとマルが仲間に加わった。 陽明山からの下りは、「日人路」と呼ばれる日本統治時代につくられた古 […]

06/18/2019

ハイク最終日は陽明山から海まで25kmを一気に歩きとおす計画で、この日はエヴァンの友人で、ゴールの金山で海辺のカフェを営むダーQとマルが仲間に加わった。
陽明山からの下りは、「日人路」と呼ばれる日本統治時代につくられた古い石畳の道を多く歩いた。その道は、さらに古くは台北と海をつなぐ魚の交易路として使われていたといい、そこをいまはハイカーが歩いている。
距離は長かったものの、基本的に下りだったので最後まで気持ちよく歩けた。景色は深山幽谷から檳榔林が生い茂る里山、工場や倉庫が点在する郊外へと変わり、ついに遠くに海が見えたときは思わず叫んだ。振り返るとさっきまでいた陽明山が見えて、台北からあの山を越えてここまで歩いたのだと思うと、少し誇らしい気持ちになった。
ついに道は平らになり、景色は日本の地方都市の郊外とそっくりな畑と水田と国道となり、夕方5時にダーQとマルのカフェ「Quiet B. Days」に着いた。何を隠そう、あつかましくも今夜はここに泊めてもらうのだ。
古い建物をリノベーションした彼らの店には欧米の雑貨や日本の雑誌が置かれ、裏には海を臨むキャンプサイトもあった。かつてこのエリアは海辺の観光地として栄えたものの没落して空き家が増え、そこを彼らのような若い世代が再生して使うことで、現在はまた注目を集めるエリアになってきているのだという。
ダーQとマルは僕たちの濡れた装備を乾かし、クラフトビールを配ってくれ、夕食をつくってくれた。そのもてなしの心にはただただ感動するしかなかった。今日はとても楽しかったと言ってくれて、僕たちもとても嬉しかった。
 
» PAPERSKY #59 TAIWAN|Hike & Bike Issue