時を超えたコミュニケーション|ワラス・ロックホール

アリススプリングスから勇壮なジェームズ山脈に沿って約120km。砂を含んだ乾いた風が舞う一本道を、ひたすら西へ。山の上にぽつんとある小屋から出迎えてくれたのはケン・ポーターさん。ここに住む西アランダ族の暮らしぶりをガイド […]

11/22/2012

アリススプリングスから勇壮なジェームズ山脈に沿って約120km。砂を含んだ乾いた風が舞う一本道を、ひたすら西へ。山の上にぽつんとある小屋から出迎えてくれたのはケン・ポーターさん。ここに住む西アランダ族の暮らしぶりをガイドしてくれた。まずは、これほどの乾燥地帯で人々の生活を支えた天然の水場、ロックホールへと向かう。
「27年の間、水場が枯れているのは5回しか見たことがない。先住民が渇きをいやし、おしゃべりなども楽しむという重要な憩いの場所だったんだ」
しばらく歩いていくと、壁面に描かれたアートが目に入る。くっきりと岩肌に残る絵は語りかけてくるような強さをもっていた。
「すり鉢状の石の上で、この粘土のような土、オーカーをすり潰す。これがペイントの材料だ。これを口に含んで壁面にかざした手に吹きかけるとこういう模様が描ける。手形をつけるのはサインのようなものだね。ここは私の大切な場所、という印。なかには600年くらい前に描かれた古いものもある」
周囲にはところどころに先住民が描いた絵が。水場ひとつとっても枯れやすい水溜まり、つねに水のあるくぼみと、違う表現で描かれている。生活に必要なことや、天地創造にまつわる話など、ひとつの絵に含まれたたくさんの意味を受け止め、それぞれが自らのストーリーを頭に描くというサイクルが続いていくのだそうだ。先住民が延々とつなげてきた話の連鎖、ソングライン。時を超えることができるコミュニケーションなんて、ちょっぴりロマンティックな気がした。
Wallace Rockhole Tourist Park
PO Box 4067
Alice Springs NT 0871
☎08 8956 7993
www.wallacerockholetours.com.au
This story originally appeared in Papersky No.29.
Photography: Yuri Shibuya Text: Piroshi Utsunomiya
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