天然芝とロンドンと、テニス発祥の物語|ウィンブルドン

ハイドパークにケンジントンガーデン、リージェンツパークにホランドパーク。バッキンガム宮殿あたりの中心部でもテニスラケットを抱えた地元の人をよく見かける。ロンドンに各所にあるいくつもの公園にはたいてい、パブリックのテニスコ […]

07/02/2012

ハイドパークにケンジントンガーデン、リージェンツパークにホランドパーク。バッキンガム宮殿あたりの中心部でもテニスラケットを抱えた地元の人をよく見かける。ロンドンに各所にあるいくつもの公園にはたいてい、パブリックのテニスコートが数えきれないほどある。テニスの聖地「ウィンブルドン」には、中心部の「ピカデリーサーカス」駅から地下鉄で40分ほど。いわゆるグランドスラム(テニスの4大トーナメント)のなかでも、天然芝のコートはここのみ。気まぐれな芝生と天候も手伝って、際立った伝説を数多く生みだした場所だ。
ここウィンブルドンに始まった近代スポーツとしてのテニスだが、その起源は「クロケ」というゲートボールのようなスポーツだった。英国で人気を呼んだこのスポーツの中心として「オールイングランドクロケットクラブ」が1868年に発足。翌年、チャンピオンシップが開かれ、進化のスピードが加速していく。ビクトリア朝時代末期、ルールや服装なども洗練されていき、1920年代には現代テニスの原型がほぼ固まったとされている。ちなみに、その昔はサーブの瞬間に「テネーズ!」と叫んだことから、テニスと呼ばれるようになったという。
「当時はスポーツウエアがありませんでしたし、この時代は女性は女性らしくなければならなかった。ですから、くじらの骨を使用したコルセットの上に重々しい服装で、テニスを楽しんでいたんです」
解説してくれたのは、ウィンブルドンに併設された「ウィンブルドン・ローン・テニス博物館」のロザラムさん。歴代チャンピオンの資料や、昔のテニスグッズなどを展示してあり、過去の試合の映像も流れている。ガラス越しにセンターコートを見ることもでき、ウィンブルドンの大歓声が聞こえてくるよう。大会期間中でなくとも、訪れる価値のある場所のひとつだ。
ウィンブルドン・ローン・テニス博物館
www.wimbledon.org
» Papersky No.19 London on the Grass