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オーストラリアの先住民、アボリジニに伝わるソングライン

航空写真で世界中の地図を見ることができるようになっても、そこには写ることのない道がある。それは人々の生活の中に刻まれ、受け継がれてきた目に見えない道。オーストラリアの先住民アボリジニの間に伝わる「ソングライン」とは、そう […]

09/27/2010

航空写真で世界中の地図を見ることができるようになっても、そこには写ることのない道がある。それは人々の生活の中に刻まれ、受け継がれてきた目に見えない道。オーストラリアの先住民アボリジニの間に伝わる「ソングライン」とは、そうした道のひとつだ。オーストラリア大陸の先住民であるアボリジニの人々がこの地へと渡ってきたのはいまから約6万年以上も前のこと。どこまでも乾燥した広大な土地の中を移動しながら、アボリジニの人々は食物や水に欠くことなく暮らしてきた。彼らを導いてきたのは、部族に伝わる絵や民話、そして歌。
土や樹木や水に宿る、精霊の存在を信じて疑わない彼ら。その精霊の声に耳を澄ましてきたからこそ、生活の知恵を習得することができ、生きる意味を考えてこられたのだと、アボリジニの人々は言う。そして、精霊の声に導かれるがまま移動を続けた結果、その旅の軌跡が、いつしかソングラインと呼ばれるようになったのだ。歌いながら、絵に描きながら、そして言葉として子どもに伝えながら。そうしたものの中には、水のある場所や、薬草となる植物の生える場所など、実際の生活に必要なことがたくさん表現されている。何もないように見える砂漠も、そうした知識を持つ彼らにとっては豊かな場所なのだ。「ここはなにに見える?あなたたちにはただの土と草に見えるかもしれないけど、私たちにとってここはスーパーマーケット。生活に必要なものはこの大地になんでもそろっているの」(#29 P.48)
オーストラリア全土に広がるソングラインを旅した、イギリスの紀行作家ブルース・チャトウィン。その旅行記であり、自らの旅に対する姿勢を綴ったのが、1987年に刊行されベストセラーとなった『ソングライン』。2009年に復刊され、写真家・石川直樹による解説が付いている。
ソングライン
ブルース・チャトウィン著、北田絵里子訳 英治出版 2009
人はなぜ旅をするのか? – 「チャトウィン自身が数々の出会いを通じて、人が旅をする理由、旅を欲する理由が浮かび上がらせていく」。南米のパタゴニア、アフリカ西海岸やオーストラリア、そして中国と旅を続けたチャトウィンの旅に対する姿勢が描かれている。
取材協力:オーストラリア政府観光局カンタス航空
Special Thanks to Tourism Australia, Qantas Airways
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