「癒しの水」を求めて人々が集った歴史ある保養地、リギ山

ルツェルン湖の正式名、フィアヴァルトシュテッターゼーとは、直訳すると「4つの森の州の湖」。表面積が113km²にもおよぶスイスで四番めに大きな湖で、ルツェルン州のほかウーリ州、シュヴィーツ州、旧ウンターヴァルデン州の4つ […]

12/20/2012

ルツェルン湖の正式名、フィアヴァルトシュテッターゼーとは、直訳すると「4つの森の州の湖」。表面積が113km²にもおよぶスイスで四番めに大きな湖で、ルツェルン州のほかウーリ州、シュヴィーツ州、旧ウンターヴァルデン州の4つの州が面していることから、こう名づけられた。 この森と山に囲まれたルツェルン湖を眺めるには、湖畔に立つリギ山の山頂が絶好のスポットだ。さっそくルツェルンから湖の周回船でリギ山の麓の街ヴェッギスに移り、そこからロープウェイで山頂を目指した。急勾配の絶壁を快調に上がっていくロープウェイの車窓からは、細長く湾曲した湖の姿が見えていたのだが、この日は小雨が降るあいにくの天候。ロープウェイが半ばに差しかかったころで、湖は瞬く間に雲に包まれてしまった。
リギ山は標高1,750mとけっして高い山ではないが、19世紀には高級ホテルが建ち、王族や貴族、文人たちでにぎわう保養地だった。ヨーロッパ初の登山鉄道が開通したのも、ここリギ山なのだ。というのも、この山には 「癒しの水」と呼ばれる霊験あらたかな鉱泉が湧く。16世紀にはこの水を求め、病気療養のため人々が訪れていたといい、保養地としての歴史は長い。そもそもリギの鉱泉が癒しの水と呼ばれる所以は、14世紀の言い伝えにまで遡る。ある三姉妹が横暴な領主に耐えかね、リギ山に逃げこんできた。豊かな知識をもつ姉妹は、牧夫たちの怪我や病気を癒しながら穏やかな日々を送っていたが、やがて最後の妹もなくなってしまう。そのとき、彼女のなくなった跡から、清らかな水が湧きだしたという。リギの牧夫たちはこの泉を癒しの水と呼び、大切に守ってきた。いまもこんこんと癒しの水が湧きでる源泉は残っていた。そっと手を入れると、ひんやりと冷たかった。
Aqua spa resorts AG
Mineralbad & Spa Rigi Kaltbad
6356 Rigi Kaltbad
TEL: +41 41 397 04 06
www.mineralbad-rigikaltbad.ch
This story originally appeared in Papersky No.40.