Connect
with Us
Thank you!

PAPERSKYの最新のストーリーやプロダクト、イベントの情報をダイジェストでお届けします。
ニュースレターの登録はこちらから!

「PAPERSKY ツール・ド・ニッポン in 長崎五島」開催レポート

九州本土の西端、大小140あまりの島々からなる五島列島の北側に位置する新上五島町で開催した、今年最初のツール・ド・ニッポン。青く澄んだ海に囲まれた離島の長閑な暮らし、豊かな海の恵み、そして隠れキリシタンの人々が歩んできた […]

03/31/2019

九州本土の西端、大小140あまりの島々からなる五島列島の北側に位置する新上五島町で開催した、今年最初のツール・ド・ニッポン。青く澄んだ海に囲まれた離島の長閑な暮らし、豊かな海の恵み、そして隠れキリシタンの人々が歩んできた歴史など、この土地だからこそ出会える自然と文化に魅了された2日間の旅になりました。
長崎港から高速船に揺られること1時間あまり。到着したのは町の南側の玄関口、奈良尾港。高速船を降りるやいなや、小さな漁船に乗り換えて、上五島の美しい海と文化を楽しむクルージングに出かけました。この日乗船したのは、「祥福丸」と「せと志お」の2艘の漁船。まず最初に目指したのは、明治の初め、隠れキリシタンの人々が迫害から逃れ身を隠したという「キリシタン洞窟」です。船でしか行くことができないこの洞窟。降り立つと、そこには断崖に建つ十字架と3メートルのキリスト像がありました。キリスト像の足元には深い洞窟が広がり、よく見ると岩の隙間には焚き火の跡のような黒い焦げも。ここで身を隠しながら生活した人々の想いや迫害の歴史に想いを巡らせる時間となりました。
この日、我々を案内してくれた船の一艘、「祥福丸」船長の坂井好弘さんは、上五島にひとつだけある、隠れキリシタンの信仰を受け継ぐ集落(桐地区)の9代目の神父役。再び船に乗った一行は、坂井さんの案内で桐地区に向かい、集落を歩いてみることにしました。「私たちは350年前から、年に一度、この神社で祭りを行っているんです。」坂井さんが連れて行ってくれたのは桐地区にある「山神神社」。約350年前に上五島に渡り、この地で生活を始めた隠れキリシタンの人々が建てた神社です。「祭りの際は近くの神社の宮司さんに来ていただいているのですが、数年前までその宮司さんも、この神社が我々隠れキリシタンの神社であることを知らなかったのです。」坂井さんのその言葉からも、隠れキリシタンの人々がいかにして信仰を守り、迫害を逃れようとしてきたか、そして、禁教令が解かれて140年あまりが経った現在も、その信仰と独自の文化が静かに受け継がれていることにただ驚くばかりでした。
そして、漁船クルージングは終着点の若松港へ。商店もまばらな小さな漁村集落の民宿で、この日は一泊。宿では伊勢えび、キビナゴ、サザエなど、上五島の海の幸と地元の焼酎を堪能しました。
迎えた二日目。この日は若松の集落から島の北側、有川港を目指す約40キロのサイクリングです。ツール・ド・ニッポンの旅のパートナー、「BRUNO」の自転車にまたがって、いざ出発!海岸線に沿った道を、緩やかにアップ&ダウン。最初に訪れたのは「若松大浦教会」。「まるでお家みたい。」と皆が口を揃えたように、こじんまりとしたその佇まいは、これまで持っていた教会のイメージとは異なる、素朴な印象のものでした。「祭壇上部に置かれたマリア像は、この大浦集落の信者の方が製作されたんです。」集落ごとに教会があると行っても過言ではない、上五島ならではのエピソードを伺うことができました。続いて訪れたのが「中ノ浦教会」。先ほどの「若松大浦教会」と異なり、比較的な大きなこの教会は海のそばにあり、潮が満ちると海面に教会の姿が見事に映し出されます。海を臨むように堂々と建つその姿は、禁教令が解かれ、信仰の自由を得た人々の喜びを表しているかのように感じたのでした。
サイクリングの中盤、小腹がすいてきた頃、一行は「太田製麺所」に到着。上五島で最も歴史のあるこの五島うどんの製麺所では、うどんの手延の行程を体験したり、グツグツと煮えたぎる大鍋でうどんを食べる「地獄炊き」を堪能しました。島の名産である椿の油が練り込まれたつるっとした喉越しのよい五島うどんは、上五島サイクリングの最高の補給食になりました。そして、もう一つ、サイクリングの途中で楽しむことができた島のおやつが「リンゴパン」。上五島のスーパーなどでも売られているご当地パンです。リンゴのイラストが一面に描かれた袋を開け、りんごのクリームを挟んだ丸いパンを齧ると、なんとも素朴な味わいが口の中に広がりました。
そして、サイクリングもいよいよゴール目前。ランチの場所として訪れたのが「はまぐりデッキ」です。目の前には美しいビーチ、その向こうには青く輝く海が広がる最高のロケーションで、2日間の旅を振り返りながら、思い思いにのんびりとした時間を過ごしました。サイクリングを終え、有川港から長崎に向かう船に乗り込むと、港では大漁旗を降って見送ってくださる地元の皆さんの姿が。こうして、離島ならではの豊かな自然、“祈りの島”に今も息づくキリシタンの文化、そして上五島の人々の穏やかな暮らしと温かい人情に触れることができた2日間の島旅が終わりました。
次回のツール・ド・ニッポンは、5月25日(土)・26日(日)に「茨城」で開催です。どうぞお楽しみに!
PAPERSKY ツール・ド・ニッポン
http://archive.papersky.jp/tour
<共催>
新上五島町
<Tour de Nippon Supporters>
BRUNO
B_ant
knog
BROOKS
URBAN RESEARCH DOORS
DIAGNL camera equipment
かまわぬ
UNITED ARROWS green label relaxing
globe walker
Peak Performance
HOUDINI
Icebreaker
ORTLIEB
le.cyc
KINTO