最も標高の高いフォンニで、最もおいしいポルチェッドゥを

羊のイメージが強い一方で、サルデーニャの伝統の料理にはポルチェッドゥなるものも堂々と存在する。ポルチェッタとかポルケットともいわれるが要は子豚の丸焼きのことで、休日、お祭り、結婚式などハレの日には欠かせない重要アイテムだ […]

07/07/2014

羊のイメージが強い一方で、サルデーニャの伝統の料理にはポルチェッドゥなるものも堂々と存在する。ポルチェッタとかポルケットともいわれるが要は子豚の丸焼きのことで、休日、お祭り、結婚式などハレの日には欠かせない重要アイテムだ。つくるのは伝統的に男性の役割で、村の男が集まり、男同士の共有の場を設ける意味合いもあった。
フォンニを訪れる観光客のベースキャンプのような施設、Perco Donnorteiのレストランには、ポルチェッドゥを目当てに遠方からも客が訪れる。ここでは100頭の母豚が放し飼いにされ、広大な土地で自然のものを食べている。地域によって調理法が異なるものの、原始的な料理だからこそ、すべてが食材にかかっているのはいうまでもない。皮はカリカリ、肉はやわらかくジューシーで、肉がいかにぜいたくで特別な食べ物かを思いださせてくれる。しかし、たとえ野生鹿が見られるトレッキングツアーに参加しお腹の準備が万端でも、ボリューミーな前菜で張り切りすぎると、ポルチェッドゥが運ばれてくるころには腹に寸分の隙もなくなるので要注意。
腹ごなしに寄った町では、新市長の誕生を祝った祭りに遭遇した。伝統衣装に身を包んだ若者が馬やロバで走りながら頭上のバケツを棒で叩く。ルールがいまいち理解できなかったが、命中するとドルチェや栗、色紙が小麦粉と一緒にバケツから飛び散るのが楽しかった。やがて5時の鐘が鳴り、黒ずくめの格好をした年配の女性たちが教会に入っていく。冷やかしで足を踏み入れるのは躊躇われたがちょっぴり覗かせていただいた。お祈りの声が静かに響くなかにいると、否応なく厳粛な気持ちになるものだ。ヌオロの街の静と動のコントラストを、コンパクトに垣間見た思いだった。
 
» PAPERSKY #44 Sardegna | FOOD Issue (no.44)