台南の郷土料理、パイナップルの漬物スープ

学校の寮だった古い建物を友人たちで借りてリノベート、各部屋は各作家のアトリエになっている。メンバーそれぞれが違う分野のクリエイターで、プロジェクトによってチームを組むこともある。組織ではなく個人の集まりだから、ゆるやかに […]

01/19/2016

学校の寮だった古い建物を友人たちで借りてリノベート、各部屋は各作家のアトリエになっている。メンバーそれぞれが違う分野のクリエイターで、プロジェクトによってチームを組むこともある。組織ではなく個人の集まりだから、ゆるやかにつかず離れず、あくまでも自由だ。
そんな彼らをつなげるのにここで役立っているのは、共同キッチン。どの部屋からもアクセスしやすい2階のまんなかにあり、食事はもちろん、ミーティングスペースやサロンとしても機能している。仕事もプライベートもすべてが分かち難く暮らしの営みにあるから、ごく自然な成り行きとして家族ぐるみの行動になる。この日もキッチンではジングァ・リーさん&ミャオさん夫婦の子どもたちが宿題をしつつ、食事の支度も手伝っていた。
食事は外食が普通の台湾にあって、ここの人たちはみな料理好き。昼時は誰からともなく集まってきて料理が始まり、ともに食べ、ともに過ごす。ミャオさんのお母さんお手製の蔭鳳梨(パイナップルと豆豉の塩漬け)を使って、リーさんが大鍋いっぱいにスープをつくってくれた。なにせ取材班に加え、アトリエにいる全員分の昼食なのだ。この蔭鳳梨、聞いただけではなかなか想像し難い味ながら、酸味と塩辛さとコクが絶妙に絡み合う、おかわり必至の満足感だった。
最近、台湾の若者の間では自炊が流行ってきている。少し前の日本のように、きちんと手間をかけ理にかなった昔のライフスタイルが見直されてきているようなのだ。リーさんたちの暮らしぶりに、多くの若者たちが憧れているというのも頷ける。
» PAPERSKY #49 Taiwan | COOK Issue