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ムーム|旅するように音を重ねるレコーディング

初めて訪れた場所なのに、目にする風景や光、雲、木のざわめきや風の色、音、そうしたものに懐かしさや馴染み深さを覚えたら、それは音楽による作用かもしれない。たくさんのアイスランドミュージシャンがそうであるように、ムームもまた […]

02/11/2011

初めて訪れた場所なのに、目にする風景や光、雲、木のざわめきや風の色、音、そうしたものに懐かしさや馴染み深さを覚えたら、それは音楽による作用かもしれない。たくさんのアイスランドミュージシャンがそうであるように、ムームもまた、自分たちが暮らすこの国の風景を音へと織り交ぜてきた。が、そのやりかたがなんともニクイ。彼らはスタジオを離れ、寂れた村の灯台、氷河にほど近い音楽学校などで録音をおこなってきたのだ。
「だって、スタジオって特別な場所じゃない? みんな恐い顔して座ってるなか、特別なマイクに向かって、特別な演奏をして…。そういうの耐えられないから、いつも場所を変えてレコーディングしてるんだ」(グンニ)。
「いまつくっているアルバムでは10箇所くらいでやったかな。いろんなところに行って、自然の音を拾いながらレコーディングする。それでも、飽きちゃったからまた場所を変えるんだ。なんてったって、自分たちをびっくりさせることができないと、おもしろくないからね」(オルヴァル)。
彼らのアルバムは全体をとおして聞くと、ひとつの物語が進行しているかのよう。音楽とともに物語と情景が浮かんでくる。「物語をつくることをとくに意識しているわけじゃないけど、自分たちがいる場所で感じていることがテーマみたいになっているから、統一感が出てるんじゃないかな」(オルヴァル)。
「外で録音するということは、それぞれの場所の雰囲気や環境、エネルギーがそのまま音楽に出てくるものだからね。それらが、自分とつながっている場所だったらなおさらだよ」(グンニ)。
まだ見ぬ音楽の驚きと響きを求めて、旅するように音を重ねるレコーディング。彼らはどんな物語を届けてくれるのだろう。
Mum myspace
このインタビューは、PAPERSKYNo.27に掲載されています。