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生涯をかけて集めたネイティブアメリカンアート|Art in New Mexico(3)

1902年に生まれたミリセント・ロジャースは、20世紀初頭を代表するソーシャライツ。母親の影響で早くからネイティブアメリカンの文化に傾倒、インディアンジュエリーをレイヤードして社交界に登場するなど、ファッショニスタとして […]

04/04/2019

1902年に生まれたミリセント・ロジャースは、20世紀初頭を代表するソーシャライツ。母親の影響で早くからネイティブアメリカンの文化に傾倒、インディアンジュエリーをレイヤードして社交界に登場するなど、ファッショニスタとして名を馳せた。世界中を旅してまわった後、安住の地に定めたのがタオスで、テキスタイルやインディアンジュエリー、バスケットなど、ありとあらゆるジャンルのネイティブアメリカンやヒスパニックのアートを情熱的に収集したが、そのコレクションを展示するのが、「Millicent Rogers Museum」だ。
1940年代に建てられたアドービ建築のミュージアムには、16の展示室に7,000点のコレクションが展示されている。注目は、1,000ピースにもおよぶネイティブアメリカン・ジュエリーのコレクションと、ネイティブアメリカンで最も有名な陶芸家、マリア・マルティネスの陶器のコレクションだ。
ナバホ族やズニ族に特徴的なターコイズをはめたシルバージュエリー、ホピ族の繊細なシルバーワークの作品などは、すべてミリセント自身の手により集められたもの。一方、サン・イルデフォンソ・プエブロ出身のマルティネスの作品では、試行錯誤の末につくり出した、ジェットブラック一色の陶器「ブラック・オン・ブラック」にご注目を。実用品として使われていた器が芸術作品として認められるようになったのは、彼女の功績が大きい。彼女の死後、遺族はすべてのコレクションをこのミュージアムに寄贈したので、初期の作品から後年のものまで、偉大な陶芸家のスタイルの変遷を総覧することができる。
Millicent Rogers Museum
millicentrogers.org