新旧の試みで、現代の寺のあり方を考える|Meet the Monks (2)

農村歌舞伎という特殊な文化を守る地域ゆえだからだろうか、肥土山集落の結束力は異様に強いのだという。そんな集落の要になっているのが多聞寺だ。12世紀末ごろの開創。本尊は行基作と伝えられる、歴史あるお寺である。住職を務めるの […]

07/05/2017

農村歌舞伎という特殊な文化を守る地域ゆえだからだろうか、肥土山集落の結束力は異様に強いのだという。そんな集落の要になっているのが多聞寺だ。12世紀末ごろの開創。本尊は行基作と伝えられる、歴史あるお寺である。住職を務めるのはこの寺に生まれた藤本佳鳳さん。じつに23代目の住職である。
毎秋に行われる子どもたちの奉納相撲、新年には集落の檀家さん100名ほどが集まり、一年の平穏無事を祈る御日待行事と、昔から伝わる伝統行事を守り続ける。その一方、期間限定で寺を開放し「寺カフェ」を開催するなど、実験的な試みにも取り組んできた。試行錯誤から垣間見えるのは、コミュニティのなかでの寺の役割を見つめ直したいという藤本さんの思いだ。
「小豆島全体で人口が減っていますし、肥土山のような集落では高齢化も著しく、檀家さんも減少しています。濃密だった寺と檀家の関係も年々、希薄になっている。寺がコミュニティの要であるなら、地域のため、檀家のために何ができるのか。こういう時代だからこそ、足元を見つめ直したいと思いました」
藤本さんの言葉どおり、寺を取り巻く環境は厳しくなる一方だ。これまで頑なに守ってきた伝統行事も消え行く寸前という。たとえば、昭和の終わりごろには100人の子どもが参加していたという奉納相撲も、昨年の参加者はその1/5に。子どもの数は年々減るばかりだ。
「守れるものを守りつつ、できないことについては時代に即した新しいやり方を模索する。今はその過渡期なんです」
小豆島霊場 第46番 多聞寺
土庄町肥土山甲2151 
TEL: 0879-62-1670