松岡俊介 自然のなかでの暮らしが教えてくれること

ヨセミテの旅のパートナーは、俳優でファッションデザイナーの松岡俊介。サンフランシスコには過去幾度か訪れたことがあり、前回は仲間たちとロサンゼルスからキャンピングカーでやってきたという。ヨセミテを訪れるのは初めてだ。そんな […]

05/06/2010

ヨセミテの旅のパートナーは、俳優でファッションデザイナーの松岡俊介。サンフランシスコには過去幾度か訪れたことがあり、前回は仲間たちとロサンゼルスからキャンピングカーでやってきたという。ヨセミテを訪れるのは初めてだ。そんな彼と取材班は、このアメリカの大自然を象徴するような国立公園に足を踏み入れ、各地を訪ねて歩いた。900mの絶壁を従えたグレイシャーポイント、ドラマチックな一枚岩のエルキャピタン、巨大な花崗岩壁のハーフドーム、壮麗な奔流ヨセミテ滝…渓谷から眺める驚くべき光景の数々を前に、松岡さんは「春夏秋冬、全部見てみないといけない場所だな」とつぶやいた。澄みきったミラーレイクに浮かぶように点在する岩の上を軽々と飛び移り、自在に動きまわって遊ぶ。森のなかにいる彼はとても伸びやかで、生気に満ちているように見えた。
1年前に横須賀を離れ、家族とともに伊豆の山中に居を構えた。以来、自身が代表を努めるブランド「mash」のショップ兼アトリエ「DrILL」のある東京と自宅のある伊豆、都市と自然を行ったり来たりする移動生活がはじまったが、彼の「旅」はそれだけに留まらない。洋服をつくっているネパールを訪れたり、日本各地のカウンター・カルチャー的なフェステイバルを訪れ自身の店を出店したりと、年間延べにして2ヶ月くらいはキャンプしているような感じだという。
「ただ、自然のなかにいたいと思うのは、自分が“すごいんじゃない”ということを感じられるから。都会にいると、いろいろな“すごい”があるでしょう。本当は全部すごくないんだけどね。こういう大きな自然のなかにいると、みんな同じというか、人間なんてたいしてすごくないんだということが感じられるんです」。
ヨセミテを離れる当日、残雪の美しい「アワニーホテル」の窓辺でソファに座りながら、松岡さんがいろいろな話をしてくれた。子どものこと、仕事のこと、これからのこと…。窓の外に広がる広大なヨセミテの森は、自然のなかに身を置きながら考え、心の声に耳を傾けようとする者を温かく迎え入れてくれるように感じられた。
松岡俊介 Shunsuke Matsuoka
東京下馬にあるセレクトショップ 「DrILL」の代表で俳優。洋服ブランド「 mash」のデザインとグラフィックも担当している。www.drillno.jp