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北のニルヴァーナ|Norrøna Magazineより

『リンゲン・アルプスを体験せよ。それはまるで、命令のようなメッセージだ。』 それは、2004年2月20日のこと。オスロのノルウェー王宮の外は、この国の典型的な冬景色だった。雪がわずかに降り、肌寒く、道行く人たちは痩せぎす […]

11/19/2013

『リンゲン・アルプスを体験せよ。それはまるで、命令のようなメッセージだ。』
それは、2004年2月20日のこと。オスロのノルウェー王宮の外は、この国の典型的な冬景色だった。雪がわずかに降り、肌寒く、道行く人たちは痩せぎすだった。誰もがこの日が歴史的な一日になるとは想像していなかった。王宮のなかでは、皇太子がノルウェー王と地方議会との会合の議長を務めていた。大蔵大臣がノルウェー内外で国際銀行取引の登録が要求される可能性のある法案を提示していた。産業大臣は、電子商取引とその他の情報サービスに関する改正について、2004年2月12日からラーグティンゲット評議会による決議を提議していた。
ところがその後、驚くようなことが起きた。環境大臣のブルゲ・ブレンネがリンゲン・アルプスを守る法令の採択を提案したのだ。
『リンゲン・アルプスのサウンドを聴いてほしい。』
その瞬間から、世界で最も美しい山は永遠に保護されることとなった。「リンゲン・アルプスは、氷河学的、そして4つの要素の地質学な観点から、自然科学的に大変価値があるため保護されているのです」、環境大臣は語る。「保護エリアにはさまざまな鳥類が生息しています」
政府のサイトによると、リンゲン・アルプスではノルウェーの昼行性の鳥類9種と、8種のフクロウが確認されている。また、少数民族のラップランド人、クヴェン族が、古代のノルウェー人のものも含めた文化的な遺産として芸術を残している。このことは学術的に正しくない可能性もあり得るが、リンゲンは最高に美しいという理由から保護されていると思う人たちに対して、自然以外の魅力があることも伝えたい。
9年後の現在、大自然が保護されているリンゲン・アルプスの小さなキャビンには、多くの上級者スキーヤーが集っている。急斜面を滑る伝説のスキーヤー、ブルーノ・コンパグネット、イタリアン・アルプスの山岳ガイド、ジュリアーノ・ボルドーニ、アルプスでスキーをするために14歳の頃から貯金していた、フィンランドの南東ラッペーンランタからやってきたミナ・リーヒマキもいる。皆、期待感が高まっている様子だ。バッグにはNorrønaのリンゲン・コレクションが詰められていた。キャビンの外では、961㎡の保護されたアミューズメントパークがスキーヤーたちを待ちかまえている。
『彼らに、待つ理由なんてあるのだろうか、いや、ありはしない!』
彼らは外に出て、外気に触れた。この地域のバルスフィヨルド、リンゲン、ストーフィヨルドは、年間350日は晴天であるといわれているが、実際は違う。この地域の天候は普通ではない。サイケデリックな陽気で、まるで抽象的なポエムを思わせる。
この地では、一日で四季が体験できる。夜明けは冬、朝は春、ランチタイムには夏のにおいが感じられ、午後は秋の陽気になる。コンパグネットとボルドーニ、リーヒマキは、リンゲンを楽しんでいた。切れるような鋭いシェイプの山頂と魅惑的に美しいフィヨルドが、スヴェレ・ヨルネヴィークの広視野レンズに広がっていた。
「Norrøna Magazine」より抜粋
Lyngen:
http://www.norrona.jp/Concepts/lyngen.html
ニーハイメディア・ジャパンが翻訳を担当する「Norrøna Magazine」日本語版は、ノローナのプロダクトを取り扱うアウトドアショップの店頭で配布されている。配布店リストはこちら。
http://www.norrona.jp/Stores/?prefecture=13