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インド人のパワーの源、ローカルフードを食す

バナナの葉っぱの上に盛られたミールスは、伝統的な南インドのローカルフード。コーチ市内の『Bharat Hotel』のレストランは、最近では減ってしまったこのスタイルのミールスが食べられるとあって、地元客でにぎわっていた。 […]

08/29/2012

バナナの葉っぱの上に盛られたミールスは、伝統的な南インドのローカルフード。コーチ市内の『Bharat Hotel』のレストランは、最近では減ってしまったこのスタイルのミールスが食べられるとあって、地元客でにぎわっていた。
メニューはベジタブル・ミールス1種類のみで、テーブルに座ると、バナナの葉が置かれ、ケーララ米、ダルカレー、アヴィアル(ヨーグルトとココナッツの煮込み)、ラッサム(胡椒の効いた酸味のあるスープ)など数種のカレーやチャツネが次々とサーブ。正式な食べかたとしては、まずはライスとダル、最後はラッサム、締めはヨーグルトとごはんを混ぜて食べるという順番があるらしいが、我々外国人はそれどころじゃない。汁っぽいしゃばしゃばのカレーをスプーンなしで食べることで精いっぱい。野菜や豆のおいしさが存分ににじみでたカレーを残すまいと、まるっこいケーララライスと指の腹で混ぜあわせながら完食した。
2,000年以上前から、ペッパー、カルダモン、クローブ、シナモンなどの産地として栄えてきたケーララの料理には、こうしたスパイスが多く使われる。ココナッツミルクを多用するのも特徴で、北に比べて油の量も少ない。飛びあがるほど辛いわけでもなく、料理によって厳選されたスパイスが、野菜のおいしさを効果的に引きだしている。そのおいしさゆえ、この土地にいるとベジタリアンになれるかもと思ってしまったほど。とはいえ、新鮮なシーフードとのカレーもケーララならではのコクがあるうまさだし、米と小麦を発酵させてクレープ状に焼いたドーサ、米粉を焼いたアッパム、米の麺を茹で固めたイディアアッパムなどすべておいしい。ああ、偉大な食文化。食にインド人のパワーの源を感じた。