旅を続けるにつれ、日に日にこの国の景色は美しく

「旅を続けるにつれ、日に日にこの国の景色は美しくなってゆく」- 1890年、ジャーナリストとして日本にやってきたアイルランド人ラフカディオ・ハーンは、中学校の英語教師として松江を訪れた。日本の神話や民話に強く 関心をもっ […]

03/26/2013

「旅を続けるにつれ、日に日にこの国の景色は美しくなってゆく」- 1890年、ジャーナリストとして日本にやってきたアイルランド人ラフカディオ・ハーンは、中学校の英語教師として松江を訪れた。日本の神話や民話に強く 関心をもっていたハーンは、自ら集めた題材をもとに”耳無し芳一”や”雪女”といった、現代まで読み継がれるすぐれた怪談や紀行文を残した。彼は明治初期 の日本において、日本人自身が見失っていた幽玄な美の数々を、外国からやってきた”マレビト”(稀人)の目によって表現した。
その著書「神々の国の首都」には、松江で彼が見聞きし感じたことが素直に書き綴られている。鼓動のように響く杵の音、川向こうの寺の鐘、朝陽に向かって打つ柏手 の音、早朝の物売りの声 – 風景、人、音、匂い、自然など、その土地に暮らしていると気づかない、生活に根付いた”美”が、ハーンの無垢な視点と優れた観察力によって、みずみずしく描き出されている。私たちが旅に出るのも、ハーンのような新鮮な目で世界を見たくなるからかもしれない。