JUNGLE | 緑に宿るマナに触れ、野生のスイッチを入れる | Retreat Style 2

ハワイには世界で見られる13の気候区分のうち11が混在している。気候区分の異なるエリアでは、そこに息づく生物・植物相もがらりと変わる。島の東側にあるプナ地区は、貿易風の影響によりとりわけ雨の多いエリア。太古のままのような […]

06/14/2018

ハワイには世界で見られる13の気候区分のうち11が混在している。気候区分の異なるエリアでは、そこに息づく生物・植物相もがらりと変わる。島の東側にあるプナ地区は、貿易風の影響によりとりわけ雨の多いエリア。太古のままのようなジャングルの緑はひときわみずみずしく、森に棲むという精霊、ヒーポエの存在を身近に感じられる。プナにリトリート施設が点在するというのも納得である。
 プナの西端にある森に暮らすのが、日本人のケイコ・フォレストさん(P.86参照)。10年前、バークレーの山奥に住んでいたころ、たまたま訪れたこの場所にひと目惚れ。仲間と協力しながらオフグリッドのエコビレッジ「The Village」をつくり上げた。現在はB&B、そしてリトリート施設として「The Village」を切り盛りしている。
敷地内の「エディブル・ジャングル」ではトロピカルフルーツがたわわに実っている。「このあたりのマンゴーの森はもともと神さましか入れない神聖な場所で、カフナが守っていたの」とケイコさん。水は雨水、電気はソーラパネルで自給するジャングルの暮らしは美しく豊かである反面、ときに想像以上の過酷さをもたらす。嵐は怖い、溶岩はもっと恐ろしい。けれど、そこがいい、とケイコさん。本来、自然とは人間のコントロールの及ばない存在だからだ。
「自然との対話を大切にし、自然のなかに神さまを見つける精神性って、ハワイアンと日本人に共通するものだと思うの。自然がもたらすものを粛々と受けとめ、多くの人と分かち合う、そういう文化をこの森から伝えていきたい」
現代の暮らしのなかで失いつつある自然への敬虔の念を、プナの深いジャングルが教えてくれそうだ。
» PAPERSKY no.56 HAWAII | RETREAT Issue