縄文土器とエゾシカ皮の太鼓|Jomon Modern Crafts 3

茂呂剛伸さんは北海道を拠点に活動する縄文太鼓奏者。赤茶色の土器に動物の皮を張った縄文太鼓で和太鼓とアフリカのリズムを刻み出す。昨年の出雲大社の遷宮では奉納演奏という大役も務めた。そんな茂呂さんに縄文との出会いについて訊い […]

01/19/2015

茂呂剛伸さんは北海道を拠点に活動する縄文太鼓奏者。赤茶色の土器に動物の皮を張った縄文太鼓で和太鼓とアフリカのリズムを刻み出す。昨年の出雲大社の遷宮では奉納演奏という大役も務めた。そんな茂呂さんに縄文との出会いについて訊いてみた。
「和太鼓少年だった私は18歳でジャンベにはまり、ガーナで原住民と寝食をともにしながら1年間修業をしました。帰国後、民族衣装を着て本場仕込みの演奏を披露しましたが結果は今ひとつ。真似事にしか見られない。何を発信すべきかずいぶん悩みました。その頃に北海道の縄文文化を知ったんです」
本州が弥生時代に入っても縄文時代が7世紀まで続いた北海道。農耕で自然をコントロールするのではなく、狩猟採集しながら自然と共生した北海道の縄文人の価値観を自分にしかできない方法で表現するというビジョンが茂呂さんのなかに生まれた。それから地元で出土した土器をモチーフに同地の原土をこねて成形し、野で焼き上げ皮を張り太鼓をつくった。最初は「縄文人のスピリットに近づきたい」一心でエゾシカの皮をはぎ、強烈な獣臭を伴う皮なめしも行っていたという。そんな茂呂さんの縄文太鼓の音色は重厚で深みがあり、土器と共振して豊かに響く。
「これは肌できく音楽。和太鼓の侘び寂びとアフリカのリズムで引き出すのは、土が記憶している縄文のコードです。北海道は歴史がないというけれど縄文がある。それが次世代にとってのアイデンティティになればいいと思うんです」
茂呂剛伸 Goshin Moro
1978年、北海道江別市生まれ。和太鼓で培った間とアフリカのリズムを手製の縄文太鼓で独奏。12月5日より東京都美術館で開催の「Ezotic Caravan」で縄文太鼓の展示、12月6日には札幌市CAI02ギャラリーで演奏会を開催予定。
 
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