土地は記憶し続ける|縄文時代早期~晩期 青森県八戸市

八戸市内には500近くもの遺跡があるという。それは、もともとこのエリアに遺跡が多く存在するというよりは、地面を掘り返す機会が多かったことを意味する。こと八戸でなくても、掘れば、出てくるのだ。とはいえ、是川は他のどこにもな […]

02/05/2015

八戸市内には500近くもの遺跡があるという。それは、もともとこのエリアに遺跡が多く存在するというよりは、地面を掘り返す機会が多かったことを意味する。こと八戸でなくても、掘れば、出てくるのだ。とはいえ、是川は他のどこにもない、突出した遺跡だ。卓越した美的センスと技術が感じられる遺物から、アーティスト集団のムラだったのではといわれるほど。集落内に低湿地帯があるために遺物の保存状態が非常に良く、当時の手仕事の跡が瑞々しいまま。特に驚いたのは漆の器だ。現在とほぼ同じ技術で重ね塗りされた鮮やかな赤色は、数千年の歳月を経ても、まるで塗りたてのよう。漆のついた手で触ったらしい、当時の人の指紋まではっきり残っている。
是川から八戸市街地を挟んだ北側にある長七谷地貝塚は、縄文時代早期後半(紀元前7,000年)という早い時代であるという点、そして北日本において太平洋に面しているという点において貴重な貝塚。見学用に整備されているわけではないから一見するとただの野原だが、工業団地に囲まれてぽつんと残されたその一角が、まるでオアシスのようだ。
二ツ森貝塚はのちに墓穴に転用される食糧貯蔵穴が多く出土した場所で、ていねいに埋葬された犬の骨、やじりの刺さった痕がある猪の上腕骨など、エキサイティングな遺物がたくさん出土している。特に美麗な細工が施された鹿角製櫛は県重宝指定となり県立郷土館に大切に収蔵されている。しかし一方で、当の貝塚の斜面には縄文時代の貝殻が今も大量に顔を覗かせており、珍しくもなんともない当たり前な風景として存在している。悠久の時を記憶している土は、いつだって等しくそれを提示しているのだ。
 
二ツ森貝塚 / Futatsumori shell midden site
七戸町文化交流センター / Shichinohe culture center
青森県上北郡七戸町字前田32 TEL: 0176-62-9702
奥入瀬麦酒館 / Oirase beer factory
青森県十和田市大字奥瀬字堰道39-1 TEL: 0176-72-3231 www.oirase.or.jp
長七谷地貝塚 / Choshichiyachi shell midden site
是川石器時代遺跡 /Korekawa stone age site
是川縄文館 / Korekawa-Jomonkan museum
青森県八戸市大字是川字横山1 TEL: 0178-38-9511 www.korekawa-jomon.jp
 
» PAPERSKY #46 Northern Japan | Jomon & Craft Beer Issue