ジェス・ハーレン「チャンスと創造性にあふれた街」

ニュージーランドの先住民、マオリの血を引くジェス。小さいころにブリスベンへ移住し、4年前、このメルボルンにギター一本抱えてやってきた。「片道切符でね。真剣に音楽をやりたかったからこの街に来たの。世界中の音楽がいつでも聞け […]

10/11/2011

ニュージーランドの先住民、マオリの血を引くジェス。小さいころにブリスベンへ移住し、4年前、このメルボルンにギター一本抱えてやってきた。「片道切符でね。真剣に音楽をやりたかったからこの街に来たの。世界中の音楽がいつでも聞ける街だし、創造性を刺激される空気がある。私にとって、チャンスとなる機会も多いし。ここに来るという決心は正しかったわ」
そのエモーショナルな歌声を聞いてソウルやブルースの影響が強いのかと聞くと、モータウンサウンドやローリン・ヒルを信奉していると答えた彼女。この街に来てからは、ブルー・キング・ブラウンのバッキングヴォーカルや、ヒップホップバンドの活動に参加し、メキメキと頭角を現しはじめた。間もなくそのギターとハスキーヴォイスがたっぷり聞けるソロアルバムをリリースする予定だという。「優れたアーティストとのセッションも好きだし、ソロでの活動も好き。いまはいろいろなものに影響を受けているの。でも、リリックの中心にあるのはやっぱり、ラブ。ポジティブに愛を歌っていきたいと思っている」
隣国、ニュージーランドから来て、ディジュリドゥにも大きな刺激を受けたとジェスは言う。「この楽器の音を聞いていると古代の不思議なオーストラリアを感じる。カーヴィングとか、いろんなカルチャーに共感できるからかもしれない。心にストレートに響いてくるし、どんな音楽にも合うおもしろい楽器ね」
屈託なく笑う顔は、まったくふつうの24歳。でも、音楽をとおして伝えたいメッセージにはきわめて骨太な彼女のスタイルが感じられる。「いまレコーディングしているのが“NEW DAY”という歌。これはオーストラリアの現首相、ケヴィン・ラッドにインスパイアされてできた曲なの。彼は就任してすぐ、公の場で国民に謝罪した。今日までの先住民に対する政府の不当な扱いについて認めて、謝ったの。これはとても大切なことだと私は感じた。そこから新しい時代が始まるって。だから、一日の始まりを告げる朝をイメージしてこの曲をつくった。なんでもスタートは大事。希望に満ちたメッセージを込めて、ね」
 
JESS HARLEN ジェス・ハーレン
ニュージーランド生まれの24歳。 2歳のころにオーストラリア、ブリスベンに移住。ソウルフルな声とグルーヴ感あふれるギターでシンプルながら力強く訴える曲調が魅力。待望のファーストアルバムも控え、今後の動向に注目が集まる。
www.myspace.com/soundslikesoul
This story originally appeared in Papersky No.29.