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"Good People, Town, Shoes" vol.1 ジョウモウ大学 橋爪光年さん

屋根のない場所すべてを楽しむための革新的フットウェアを展開する、アメリカ・ポートランドに本拠を構えるアウトドア・フットウェア・ブランド「KEEN(キーン)」。【創造すること】【楽しむこと】【気遣うこと】を意識したライフス […]

04/27/2017

屋根のない場所すべてを楽しむための革新的フットウェアを展開する、アメリカ・ポートランドに本拠を構えるアウトドア・フットウェア・ブランド「KEEN(キーン)」。【創造すること】【楽しむこと】【気遣うこと】を意識したライフスタイルを「HybridLife(ハイブリッド・ライフ)」と呼び、このコンセプトを大切にするKEENは、わたしたちの暮らす地球や社会にとってポジティブな変化を作り出し、「より良い環境・より良い社会」を次世代に継承していくため、パートナーである団体と協力し、環境保護活動や社会貢献活動に積極的に取り組んでいることでも知られています。
日本での取り組みのひとつが、過疎化・高齢化が進む新潟県越後妻有(十日町市・津南町)を舞台にアートで地域活性化を図る「大地の芸術祭」での活動です。この活動でKEENは、KEENアンバサダーの空間アーティストBubb(バブ)とライブペインティングユニット“Gravityfree(グラビティフリー)”と共に空き家を改築した「出逢い DEAI」でアート制作に携わっています。
また、両アンバサダーは、KEENも参画している、2011年3月に発生した東日本大震災において津波で壊滅的な被害を受けた宮城県・牡鹿半島の大原浜地区の古民家をコミュニティスペース「牡鹿半島食堂いぶき」(2017年4月22日オープン)として再生させる『古民家再生プロジェクト』にも携わっています。
 
「KEEN×PAPERSKY “Good People, Town, Shoes”」は、日本各地をフィールドに、より良い地域、環境づくりに取り組んでいる人々を紹介するシリーズ企画。第一回は、群馬県高崎市を訪ねました。
赤城山や榛名山など多くの山々を臨む群馬県。古くから「上毛(じょうもう)」と呼ばれるこの地で、県内のカフェや公園、公共施設などの場所を“キャンパス”に授業を行う「ジョウモウ大学」という活動が行われています。「群馬を世界中に自慢したくなる街に。」というスローガンを掲げ、「ジョウモウ大学」をスタートした橋爪光年さんに話を伺いました。
 
—「ジョウモウ大学」の活動はどういう経緯でスタートしたのですか?
「私はお寺の家系なのですが、お寺というのは元々、人が安心して集える、コミュニティスペースのような存在だったと思うのです。それが時代の変化もあって、そのような役割が薄まってきたこともあり、今の時代に合う人々の拠り所となるような場を地元の群馬に作りたいという思いから、ジョウモウ大学の構想は始まりました。SNSで群馬のことを積極的に発信している人たちに会いに行ったりしながら、これからの群馬にはどのようなコミュニティが必要だろうかと話し合いを重ねる中で、次第に仲間が集まってきました。そして2年の準備期間を経て、2011年に開校しました。」
 
−いろいろなコミュニティのかたちが考えられたと思うのですが、「学び」をテーマとされたのはどのような理由からですか?
「『ジョウモウ大学』という名前や『授業』と聞くと堅苦しく聞こえるかもしれないのですが、活発なコミュニティを生み出すためには同じ興味を持った人たちが集まることが大切だと考えていました。授業というかたちで一つのお題を投げかけ、それに興味がある人々が集まる。授業をやる度にこの街に小さなコミュニティが生まれる。そのきっかけ作りを繰り返し行っているのが、『ジョウモウ大学』なのです。」
 
−「ジョウモウ大学」ではどんな授業が行われているのですか?
「『ジョウモウ大学』では、誰でも先生になることができます。音楽に詳しい、デザインが得意、染めものが上手など、いろいろな特技を持った人たちが、同じ興味を持つ人々と知識やスキルを共有するのが『ジョウモウ大学』の授業です。授業は毎月定期的に開催されていて、2011年の開校以来、人が人を呼ぶかたちで受講者が増えています。群馬県外からの参加申し込みも珍しくありません。」
 
−「ジョウモウ大学」をより良いコミュニティにしていくために行っている工夫はありますか?
「ジョウモウ大学がスタートして6年になりますが、参加する人が常に入れ替わるように、授業を受けることができる人を抽選で選ぶようにしています。それによって、誰でも新たに参加しやすく、意見も言いやすい、風通しの良いコミュニティになっていると思います。また、高崎市内で『MOTOKONYA』というスペースの運営も始めました。ここでは、将来お店を開きたいと考えている人などに日替わりでスペースを貸しています。地域の方にもよく訪れていただいていて、朝から行列ができる日もあるのです。『MOTOKONYA』での実験的な営業をきっかけにして、群馬県内にたくさんの店がオープンしました。」
 
−「ジョウモウ大学」は寄付で運営されているのですね?
「『ジョウモウ大学』の運営は100%寄付で成り立っています。そして、多くの授業が無料で参加することができます。授業に参加しているうちに自分の顔の知らない誰かからの寄付で成り立っていることに気づき、次は自分が顔の知らない誰かにこの経験を送りたいと思ってもらいたい。そんな「恩送り」の精神が活動の根底にながれています。そうやって、思いやりが循環する社会になることが、『ジョウモウ大学』の目指す未来です。」
 
−「ジョウモウ大学」の活動を通して、群馬はどのように変わっていきますか?
「群馬という場所が外からどう見えるかということよりも、そこに暮らす人々が自分たちの街をより楽しめるようになることが大切です。街の中にあるいろいろな物事に興味を持ち、それを仲間と一緒に楽しむことで、群馬という場所で生き生きと暮らす人が増えていってほしいと考えています。」
 
ジョウモウ大学
http://jomo-univ.net/
 

UNEEK 12,960円(税込)
KEEN
www.keenfootwear.com