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山のなかで「待て」を学んだ|Outdoor People in Taiwan 5

戴杏芳は愛犬と山を歩くのが好きだ。犬と山に登るとき、注意深く見ているとその細かな動きに気づく。犬は微かな風やにおいから周囲の変化に気づいている。もし小さな動物がることに気づけば、犬はすぐに道を外れ、遠くまで探しにいく。一 […]

11/25/2019

戴杏芳は愛犬と山を歩くのが好きだ。犬と山に登るとき、注意深く見ているとその細かな動きに気づく。犬は微かな風やにおいから周囲の変化に気づいている。もし小さな動物がることに気づけば、犬はすぐに道を外れ、遠くまで探しにいく。一方で人間はルートから外れることなく歩く。
戴は愛犬とともに新北市金山区の電波も届かない山の上に暮らしている。彼女たちにとって、山は庭のようなものだ。特に、家からほど近い陽明山系の魚路古道(Fish Road Historic Trail)と竹山古道(Zhushan Historic Trail)はいつもの散歩コース。愛犬が初めて戴と山に登ったのは、生後3か月のころだった。まだ幼い愛犬の背中を押しながら登ったのを覚えている。成長するにつれて、背中を押さずに済むようになった代わりに、「待て」と言わなければならなくなった。ある日、小さな谷で向かい側に誰かが座っているのに怯えて、前に進めなくなってしまった。30分近くためらっていたが、勇気を出してその谷を飛び越えてからは、物怖じしなくなった。
戴にとって登山は普段の生活の一部となっている。重装備を用意したり、綿密なルート計画をしたりすることなく、気軽に山へと入っていく。愛犬との山での時間を大切にする彼女は、ときには犬を連れていけない国家公園に愛犬と行くこともあった。装備不要、飲み水すら自分で探せる愛犬は、彼女のなかでUL(ウルトラライト)マスターだ。「犬たちは生まれながらにアウトドアだ」と彼女は言うが、実際、そのとおりではないだろうか?
戴杏芳 Hsing Fang Tai
森に暮らし、山を歩くことを日常とするハイカー。愛犬とともに登山をするという独特なハイキングスタイルを楽しみ、犬の行動から野性を学んでいる。
 
» PAPERSKY #59 TAIWAN|Hike & Bike Issue