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Gaskins 小さな街に灯りをともす「みんなの食堂」

月曜日の午後6時。週始めというのに、「Gaskins」のテーブルはテラス席まで満席だ。訪れているのはラフな服装をした地元の人々。ワイングラスを傾けながらにぎやかに食事を楽しんでいる。 ジャーマンタウンは人口2,000人弱 […]

10/06/2016

月曜日の午後6時。週始めというのに、「Gaskins」のテーブルはテラス席まで満席だ。訪れているのはラフな服装をした地元の人々。ワイングラスを傾けながらにぎやかに食事を楽しんでいる。
ジャーマンタウンは人口2,000人弱。ハドソン川の西岸にある閑静な住宅地で、観光客の姿はそこまで多くない。なぜ、ニューヨークの第一線で活躍していたシェフがそんな場所を選んで店を開いたのか。オーナーのニック・スワレズとサラ夫妻は淀みなくこう答える。
「ここは大きな店がない代わりに、個人商店が多いんです。地元の人と店の距離が近くて、初めて訪れたとき、店を開くならこういう街がいいと思いました」
ジャーマンタウンのことを話すとき、ふたりは「タイト・ニット・コミュニティ」という表現を使う。そんな結びつきのなかで、地元の人たちが気軽に通ってくれるような店をつくりたかった。
「料理に使う素材はほとんど近隣の農家のもの。味はもちろんだけど、地元のプロダクトを使うことで彼らの収益も上がるでしょ。経済的な面でも地元を支えていける存在になりたいと思って」
店の顔でもあるバーガーは地元のグラスフェッドビーフのパテが主役。つけ合わせの野菜も近所の農家から届く。
「1年前に店を開くまで、この街にはレストランと呼べる店がほとんどなかったの。だから地元の人はすごく喜んでくれて、週に何度も来てくれる人も多いの」
地元の人々に、ここでつくられた食材のおいしさを伝える。それが「Gaskins」の使命であり、いちばんの喜びなのだ。
 
» PAPERSKY #51 Upstate New York | Farm & Table Issue