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思わず、モロッコ郷愁 ‘Food Trip’ in Morocco

12月中旬のさわやかな晴天の東京で、ニーハイメディアの事務所兼アトリエにてモロッコ料理教室「Food Trip」の第2回目が開催された。葉山のご自宅で「griot」というカフェ/雑貨の店を経営する有元くるみさんが、PAP […]

05/16/2012

12月中旬のさわやかな晴天の東京で、ニーハイメディアの事務所兼アトリエにてモロッコ料理教室「Food Trip」の第2回目が開催された。葉山のご自宅で「griot」というカフェ/雑貨の店を経営する有元くるみさんが、PAPERSKYのFOOD CLUBイベントを担当してくれたのだ。風化した木箱から三浦半島の朝穫りの無農薬野菜やみずみずしいハーブがあふれて、室内にすっきりとした香りを漂わせている。
くるみさんがつくる料理は異国の雰囲気を五感をとおして感じさせてくれる。以前、南インドのタミル風菜食を研究するプロジェクトにも携わっていたくるみさん。今日も料理を通じて、モロッコの鮮やかな色彩、人情のぬくもりや陽気な気分がうまく伝わっていく。レンズ豆と干した空豆のスープは、素朴な味ながらも、心底から温まってくる。いろんな無農薬野菜をていねいにみじん切りにしたハーブと根菜のサラダでは、めったにないほどの鮮度をしみじみと実感し、ビネグレットソースがかかっているわりに重く感じず、野菜との絶妙なバランスを演出。オーブンがないのが残念だったが、鉄鍋で仕上げていた丸ごとチキンは肉汁がぎっしり封じこまれ、自家製のアリッサ(唐辛子のソース)をつけたらたまらない。
「すごくおいしいですね。僕が通っていた大学の町にあるチュニジアのお店の料理を思いださせてくれる」と言ったら、自分の手でつくったものを厳しい目でじっくり食べて、「そう? 現地で食べたほうがずっとおいしいよ」と返された。白昼夢に浸かっていそうなくるみさんの表情は、遠いモロッコの町並みや人々の微笑みに誘いこまれていくようだった。海外で味わえた料理を自分の台所で再現させる試みが、思わず旅の道中にまたも引き寄せられていくということなのか。