Fish & Game 地元食材から学び、変化する。進化系ファインダイニング

今、ハドソンで最も予約の取りにくいレストランを挙げるとすれば、まちがいなく「Fish & Game」だろう。 オーナーのザック・ペラッチオさんは、マンハッタンでいくつものレストランを経営してきた腕利きのシェフ。 […]

09/21/2016

今、ハドソンで最も予約の取りにくいレストランを挙げるとすれば、まちがいなく「Fish & Game」だろう。 オーナーのザック・ペラッチオさんは、マンハッタンでいくつものレストランを経営してきた腕利きのシェフ。なかでもマレーシアンレストラン「Fatty Crab」は、多くのニューヨーカーをソフトシェルクラブ中毒にさせたほどの超人気店だ。そんな彼をこの地に導いたのは、地元に溢れるすばらしい食材だった。
「たとえば豚を1頭買いすると、頭から尻尾までどう料理しようかと考える。ポークベリーは炭火で焼いてステーキに、ももの部分は熟成させて生ハムにといったふうにね。野菜も同じで、夏野菜は秋冬に向けてピクルスにして保存する。こっちで店を出してから、より想像力を使って料理できるようになったんだ」
ザックさんの妻は、P.98でも紹介している発酵アーティストでありハーバリストのジョリーさん。料理に使えなかったくず野菜や果物の皮を使ってビネガーをつくり、ザックさんがそれを料理に使う。自宅で育てたハーブからつくったコーディアルは、カクテルの隠し味になる。
「うちの店には廃棄する食材がほとんどないんです。地元の農家たちが厨房に届けてくれる野菜や果物、肉、すべてが料理になって、誰かのお腹を満たす。こんなすばらしいことはないですよね」
トップシェフのイマジネーションを刺激し続けるのは、地元産のプロダクトそのもの。農家とシェフ、両者がそろって初めて生まれる最高のひと皿が、「Fish & Game」の真骨頂なのだ。
» PAPERSKY #51 Upstate New York | Farm & Table Issue