国境を超えてダイレクトにつながる「感性の共同体」

「『PAPERSKY』はどんな雑誌なんだい? 読者はどんな人たち? クライアントは?」。会って本誌を手渡すとすぐに、フアン・モラレホは雑誌を食い入るように眺めて、矢継ぎ早に質問を飛ばした。ブエノスアイレス発のリトルマガジ […]

02/24/2014

「『PAPERSKY』はどんな雑誌なんだい? 読者はどんな人たち? クライアントは?」。会って本誌を手渡すとすぐに、フアン・モラレホは雑誌を食い入るように眺めて、矢継ぎ早に質問を飛ばした。ブエノスアイレス発のリトルマガジン『CORRESPONDENCIA』発行人であるフアンがガイドしてくれるのは、1950〜70年代に発行された伝説的文芸誌『SUR』を主宰した女流作家ヴィクトリア・オカンポの旧居など、「雑誌文化が大好き」と語る彼らしいもの。
「大学でジャーナリズムと写真を学んだ後、2001年にロサンゼルスでマイク・ミルズやソフィア・コッポラの設立した小さな会社でインターンとして働いた。その後、帰国していまは出版やウェブのコンサルタントをやりながら雑誌をつくってるよ」。
2年前に創刊した『CORRESPONDENCIA』はスペイン語/英語併記のバイリンガル・アート&カルチャーマガジンで、参加者はマーク・ボスウィックやウォルフガング・ティルマンスら欧米のアーティストからホンマタカシやアンダース・エドスロトームら日本で活動するクリエイターまで幅広い。「“Correspondencia”という言葉にはふたつの意味があって、ひとつは『誰かと文字を交換することによるコミュニケーション』。もうひとつは『類似性』とか『調和』。だから、この雑誌では世界中に存在する『類似する』人たち、感性を共有する人たちに参加してもらいたいんだ」。
世界のあらゆる場所に、少数の人々がつくる「感性の共同体」があり、彼らとダイレクトにつながることで、大きな資本がなくても世界に通じるメディアはつくれるとフアンは言う。「インディペンデントマガジン・ユニティさ」と胸を張る彼の声に、東京とブエノスアイレスの距離がぐっと近づいて感じられた。
This story originally appeared in PAPERSKY’s ARGENTINA | ART Issue (no.43)