ローカル×おいしい×自転車=無限大?!|PAPERSKY bicycle club

彼の名は、クリス・キング。いまや参加チケットの獲得がとても難しいという「グルメセンチュリー」を仕掛けた、その人だ。彼がコースの補給ポイントで見せた“いただきます”の姿勢に、あわててカメラを向けていた。アメリカのオレゴン州 […]

10/20/2016

彼の名は、クリス・キング。いまや参加チケットの獲得がとても難しいという「グルメセンチュリー」を仕掛けた、その人だ。彼がコースの補給ポイントで見せた“いただきます”の姿勢に、あわててカメラを向けていた。アメリカのオレゴン州・ポートランドで、世界に名高い高性能な自転車専用のヘッドセットなどを生み出している彼は、自宅の庭で野菜をつくったり、かつて日本食のシェフに憧れ料理学校に通っていたことがあったりと、食への意識が高いことでも知られる。とりわけ、つくり手が手塩にかけて育て、手間暇かけて調理する“地域ならでは”のローカルフードへの敬意は、並々ならぬものがある。その気持ちを表現したのが「グルメセンチュリー」なのだ。
センチュリー、すなわち100kmに及ぶその地域ならではの景観をめいっぱい楽しみながら走り、その土地で採れた新鮮な食材を消費する。食材もそれを調理するシェフもコースのチョイスも、これでもか! というほどにオール・アバウト・ポートランドな自転車×食のアイデア。メイド・イン・ポートランドの自転車やパーツを生み出す彼が提案する、至福の1日なのだ。ところで、この写真は今年、豊田市足助で開催されたグルメセンチュリーでのワンシーン。名古屋の自転車店サークルズの田中慎也氏は、かねてから参加を熱望していたこのイベントへ2年にわたり赴いた後に、彼がコミュニティを築き続けている愛知で、2015年から日本版グルメセンチュリーを開催している。キーワード検索すれば、参加した多くの挑戦者によって綴られた感想と美しい写真を見ることができる。
イベントの後、クリス氏は富士山麓へサイクリングに出かけ、また京都へも足を伸ばした。彼の興味は京の食文化ということで、縁あって妙心寺・東林院の精進料理の師とされる西川和尚のもとへお連れすることに。禅寺で最高のもてなし料理であるゴマ豆腐のゴマから丁寧にすりつぶしてつくる約1時間の工程を体験し、数品を食した。ふと、精進料理における〈思いやりの心をもって旬のものをいただき、自然のめぐみやいとなみに感謝する心〉こそ、グルメセンチュリーに通ずるものではないかと確信した。ごく自然に出た彼の合掌のポーズに、その気持ちが一番現れていたのだった。
グルメセンチュリー 
sim-works.com/gcr-asuke2016