Dustin Klien 西海岸のバイクシーンを牽引するカリスマ

自転車、スケボー、アート、音楽。長くサンフランシスコのバイクシーンを牽引してきたアーティストでデザイナーのダスティン・クラインは、現在、ポートランド郊外に構えたアトリエで創作活動を行っている。新たな拠点をポートランドに定めたのは「バイク・フレンドリーで豊かなトレイルがある街だから」。平日は市内でロードバイクを乗りまわし、週末はグラベルやMTBを駆ってのロングライドへ。ポートランドのいいところは、都会から森林のパートへシームレスに移動できるところだという。
最近、特にハマっているのは、誰も知らないグラベルの、ときに200kmにもなるというビッグライド！ これは、デザインやアートの活動と同じくらい力を入れている自転車のドキュメンタリー・ムービーをつくるためのライドだ。なんでも、ケイシー・ナイスタットのビデオブログに感銘を受けて制作を始めたとか。
「『CADENCE』も含めて僕のものづくりの根底にはつねにDIYがあるんだ。ナイスタットのあのスタイルはまさにDIYの精神とデジタルの融合だよね。これを自転車をベースに表現してみたらおもしろいぞってピンときた」
クリエイティブで刺激的で、シーンにとって何か意味のあることを発信する。のんびりしたポートランドにいながら、第一線で活躍するために考えた手法が、ダスティンが「バイシクル・アート・ムービー」と呼ぶムービー制作なのである。
「ここにはサンフランシスコのような都会の洗練はないけれど、代わりにもっと純粋でリアルなライフスタイルがある。ご覧のとおりバイク・カルチャーも豊かだし、オレゴンはもっとおもしろくなるよ！」
　
Dustin Klien ダスティン・クライン
サイクルアパレルブランド「CADENCE」デザイナー。一大フィクスドギアバイク・ムーブメントを築いた「MASH SF」の初期メンバーで、「FAST FRIDAY」をオーガナイズした。