新潟発、ローカルを超えた理想のモノづくり|PAPERSKY japan club

経済や情報のグローバル化が進めば進むほど、ローカルなものに対する関心が高まってくる。モノづくりの世界においても同様だ。身近にある価値を再発見しようという活動が国内外で盛んになっていることは多くの人も感じていることだろう。 […]

06/24/2015

経済や情報のグローバル化が進めば進むほど、ローカルなものに対する関心が高まってくる。モノづくりの世界においても同様だ。身近にある価値を再発見しようという活動が国内外で盛んになっていることは多くの人も感じていることだろう。
その一方で「地方」とか「伝統」といった言葉だけが一人歩きしている状況もないとは言えない。優れた技術や生産背景がありながら、消費者の嗜好や時代性、さらには流通との乖離によって事業の先行きに不安を感じている生産者は少なくない。伝統工芸であれ地場産業であれ、それが経済活動である以上、生み出されるモノやサービスが人々に継続的に受け入れられなければいずれ失われてしまう。そんな産地の声に耳を傾けながら、独自のモノづくりをしているふたりの女性がいる。「エフスタイル」を主宰する五十嵐恵美さんと星野若菜さんだ。
生まれ育った新潟を拠点に、地元新潟をはじめとする近県の生産者と恊働してモノづくりをして14年。これまで企画してきた衣料や生活用品を中心とする商品は、多くの人たち、とりわけ丁寧な暮らしを志向する人、こだわりの道具や日用品を扱う店のオーナーなどモノを扱うプロたちに熱く支持されてきた。生産者=つくり手に寄り添い、彼らが慣れ親しんできた素材や技術、仕事のやり方を生かし尊重しながらていねいに無理をせずに商品を開発していくのがふたりのスタイル。さらに特筆すべきは彼女たちの活動が製造以外で「商品が流通するまでに必要なことすべて」を担っていること。モノをつくり、売り方を考え、営業と販売も自ら行う。それは産業の継続に不可欠な「循環」のサイクルをつくることでもある。つくり手にとってこれほど心強いパートナーがいるだろうか。
さまざまな産地のつくり手とモノづくりをしながらも、エフスタイルの商品はどれも現代の暮らしにフィットした穏やかで清涼感のあるひとつのトーンに包まれている。そこには「ローカル」などという言葉を超えたモノとしての普遍的な魅力にあふれ、またモノづくりの理想の姿がある。