CHERYL DUNN|NYの写真家たち(2)

シーポート・ミュージアムの依頼を受けて、写真家たちのインタビューで構成する短編映画『Everybody Street』を制作した。そこに登場するのは、駆け出しのころの自分に多大なる影響をおよぼしたパイオニアたち。ブルース […]

06/23/2016

シーポート・ミュージアムの依頼を受けて、写真家たちのインタビューで構成する短編映画『Everybody Street』を制作した。そこに登場するのは、駆け出しのころの自分に多大なる影響をおよぼしたパイオニアたち。ブルース・デビッドソンやクレイトン・パターソンなど、元祖ストリート・フォトグラファーと呼ばれる人たちが取材に応じてくれた。「自分にとってアイドルのような存在の作家たちと午後のひとときをともに過ごしながらあれこれ訊ける、夢のようなプロジェクトだった。彼らの写真集やインタビューをはじめ、ありとあらゆる資料にあたって臨んだの」
映画に登場する大家たちの影響を受け、自分自身もまた、NYの街を舞台に社会の弱者たちの姿を追いかけ続けてきた。「特権をもたずに生まれてきた人たちが、生まれた場所から這いあがり、戦い、社会に爪痕を残そうとするときに湧きでるエネルギー。それが、私にとっては一番おもしろい」
映画のなかで、シェリルがリッキー・パウエルに「NYからまだインスピレーションを受けていますか?」と訊くシーンがあったのを受けて、同じ質問を本人に投げてみた。「この街はいつも変わり続けている。過去の記憶にすがり続けるか、前進するか。私たちが古い写真に意味を見いだすように、私が撮る写真が、50年後に意味をもつときがやってくる」
同世代の写真家のなかでもいち早く動画を取り入れた。現在はさらに別のフォトグラファーのインタビューを加え、再編集して『Everybody Street』の改訂版を再発表しようと準備中。誰が登場するのか楽しみだ。
 
◆ Cheryl Dunn シェリル・ダン
ニュージャージー生まれ。おもにファッション写真でキャリアを積む。90年代から動画を撮りはじめ、1997年にスケートボーダーやグラフィティ・アーティストを題材にした映画『Sped』を発表して以来、ストリートカルチャーをテーマにした作品を撮り続けている。
www.cheryldunn.net
This story originally appeared in Papersky No. 34.