Day6 | 海岸線をひた走り、ついに台東に到達する

いよいよ最終日。旅も6日目となると、このパーティもすっかり「チーム」となっていた。大人っぽかったり子どもっぽかったりする夏目さん、気遣い屋のヘクター、仕事人のエヴァン、子熊みたいなルーカス。それぞれ遊びも仕事もそれなりに […]

07/10/2019

いよいよ最終日。旅も6日目となると、このパーティもすっかり「チーム」となっていた。大人っぽかったり子どもっぽかったりする夏目さん、気遣い屋のヘクター、仕事人のエヴァン、子熊みたいなルーカス。それぞれ遊びも仕事もそれなりに経験を積んできた30〜40代の男たちが、「旅の遂行」というシンプルな目的に向かって一丸となっている、その一員でいるのは心地よかった。
その日はひたすら海辺を走る1日になった。台湾原住民アミ族の船を復元している作業場を通り過ぎ、見学させてもらっていると、ご意見番らしきおじいさんはひっきりなしに檳榔(噛みタバコ)を噛み、鹿茸酒(鹿角を漬けこんだ薬用酒)を飲み、それをこちらにも何度も勧めてくる。断るのも悪いのでしばしおつき合いしていると、体がポカポカしてきた。
子どもたちやココナッツジュースの屋台のおばさん、トラックを運転するおじさんたち、店の前に座るおじいさん、すれ違う人たちみなが「加油!」と声をかけてくれた。台湾の人々の優しさやもてなしの心はアジアの真珠だ。僕らもそんなふうに優しくなれるだろうか。
左手には湘南を思わせる海外線がどこまでも続き、右手には深いジャングルの向こうに原始時代を思わせる山がそびえていた。旅で出会った人々や起こった出来事を思い返すと、毎日の密度が濃すぎて、すべてが遠い昔のような気がする。ともあれ、感傷に浸るのはまだ早い。僕らはペダルを漕ぎ続けた。
景色は郊外へと変わり、大きな橋が見えた。橋の上まで来ると、向こうに台東の街が見えた。
 
» PAPERSKY #59 TAIWAN|Hike & Bike Issue