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ジャンルの壁を飛び越える、ボサノヴァ的手法|Celso Fonseca

リオのなかでもひときわ、上品なムード漂うレブロン。ここはジョビンをはじめ、マルコス・ヴァーリ、エドゥ・ロボなど多くの革新的な音楽家が拠点とした閑静なスポットだ。数々のヒット曲を生み出したセルソ・フォンセカも、そんなレブロ […]

06/28/2016

リオのなかでもひときわ、上品なムード漂うレブロン。ここはジョビンをはじめ、マルコス・ヴァーリ、エドゥ・ロボなど多くの革新的な音楽家が拠点とした閑静なスポットだ。数々のヒット曲を生み出したセルソ・フォンセカも、そんなレブロンを愛してやまないひとり。言葉では説明できない創造のヒントが、このエリアに潜んでいるのだろうか。
「レブロンには美味しいレストランや洒落たカフェも多いし、ボサノヴァが生まれ育ったコパカバーナやイパネマへ歩いても行ける。目の前の海、街を囲む山々、そして行き交う人々。すべてがエネルギーに満ちていて、僕ら住人には、この一帯でボサノヴァが誕生した理由を理解できる。ここで暮らしていると予期せぬタイミングで、メロディと歌詞が突然、降ってくるんだ。ドライブや散歩の途中、あるいは料理の最中でも。自分でも謎なんだけどね」 
降ってくるのはポルトガル語、英語、どちらの場合もあり、そのことがフォンセカの曲に幅広さをもたらしてもいる。サウンドのテイストだって、アコースティックからエレクトロとじつに縦横無尽だ。
「重要なのは、どこの国の言葉かとか、テンポとか、曲調でもない。ボサノヴァスピリッツとは、音楽によっていかに優しくリスナーへ語りかけるか、だと僕は思う」
ジャズやサルサ、ロックといった枠にとらわれない音楽が彼の理想。あらゆる種類の音楽をボサノヴァ的手法でプレイしてみたいとフォンセカは熱く語る。先人の精神性を受け継ぎながら、目指すのは、まだ見ぬ音楽の新たな領域。彼との会話から、今でも拡がり続けるボサノヴァの芳醇な世界が、たしかに透けて見えた。
» PAPERSKY #50 Rio de Janeiro | Bossa Nova Issue