世界に誇るイタリアのキャビア、カブラスのボッタルガ

その価値を表現するため、カブラス産のボッタルガ、つまりカラスミは、イタリアのキャビアとも称されるが、カラスミ贔屓の身からすれば役不足なネーミングというものだ。この旅でカブラスがヨーロッパで随一のカラスミ産地だと知り、此処 […]

06/11/2014

その価値を表現するため、カブラス産のボッタルガ、つまりカラスミは、イタリアのキャビアとも称されるが、カラスミ贔屓の身からすれば役不足なネーミングというものだ。この旅でカブラスがヨーロッパで随一のカラスミ産地だと知り、此処で会ったが百年目的邂逅というか、それなら食べずに帰れるか的奮起というか、食べたい、買いたい、とにかく! となったわけである。
オリスターノの港町、カブラスは、心なしか街全体がスモーキーな香り。そこらじゅうの看板には「ボッタルガ」の文字。シエスタの時間でもPino Spanuは店を開けていた。旅の間中持ち歩くことを心配し、常温でどれくらいもつ? と訪ねると「3年経っても大丈夫。熟成が進んで硬くなるだけだよ」と店員のお兄ちゃん。熟成するほどに色も濃くなり、すりおろしてパスタにかけるのに適すのはこちらのようだ。
Sa Molaは真っ白なテーブルクロスがかかった高級レストランだが、この島の人たちのご多分にもれず、シェフのサンドロ・サンナさんはフレンドリーだった。なぜか厨房へ招かれパスタ教室がスタート。粉と水をこねて小さく切った生地をフォークやチーズおろしの溝に押し当てて親指でこすると、くるんと丸まったサルデーニャのパスタ、マッロレッドゥスの完成だ。おもしろくて交代でやらせてもらうが、さすがにくるみさんは要領がいい。一方、ルーカスの手際の悪さにはシェフも苦笑いだった。
テーブルにつくと、我らが作の不格好なパスタが見事に洗練されたひと皿になって出てきた。旬のアーティチョークを和え、ボッタルガをすりおろしたマッロレッドゥス。自ら手をかけただけ満足感が増す、格別な味わいだった。
» PAPERSKY #44 Sardegna | FOOD Issue (no.44)