スペイン人がつくった歴史と文化とアート | O’Keeffe’s New Mexico 1

ニューメキシコの州都サンタフェは、アメリカで最も古い歴史をもつ州都だ。ヒスパニック系と、プエブロ族やアパッチ族といった先住民、アングロサクソンが共存し、多様な文化が混じり合う。かつて東部の富裕層やボヘミアンたちにとって理 […]

01/16/2019

ニューメキシコの州都サンタフェは、アメリカで最も古い歴史をもつ州都だ。ヒスパニック系と、プエブロ族やアパッチ族といった先住民、アングロサクソンが共存し、多様な文化が混じり合う。かつて東部の富裕層やボヘミアンたちにとって理想のデスティネーションだったサンタフェをジョージア・オキーフが初めて訪れたのは1917年のこと。そのときは妹とコロラドでハイキングを楽しんだ帰りに立ち寄っただけだっただが、1929年、一大転機となったタオスへの旅の途中でサンタフェを再訪している。
オキーフが描いたニューメキシコというと頭蓋骨と花を組み合わせた作品が思い浮かぶ。オキーフは海辺で貝殻を拾うように、砂漠に散乱している白い動物の骨を集めた。太陽光で漂白された骨は、彼女にとって完璧な美しさを湛えた砂漠のフォルムだったのだ。後年、オキーフは、「これを『アメリカ』の絵にしてやろうと思った」と綴っている。そこに自らが得意とする花のモチーフを組み合わせる、新しい手法を考案した。ニューメキシコの夏には本物の花はほとんどなかったが、ヒスパニック文化の影響で手づくりの造花は至るところで手に入った。「死者の日」をイメージさせる造花と骸骨は、オキーフとニューメキシコを代表するモチーフとなった。
「骸骨と花」を想起させるサンタフェは現在、現代アートの一大拠点として知られ、街を歩けば数え切れないほどの美術館やギャラリーが点在している。現代のアーティストやギャラリストたちもオキーフ同様、強烈な光と色彩のコントラスト、砂漠が織りなす自然の神秘に導かれているのだろう。
» PAPERSKY #58 NEW MEXICO|Outdoor Beauty Issue