まちと山をかける、自転車

あえて書き間違えるならば“羨山しい”山と村がある。東京唯一の村だという檜原村。東京の西部、国立市や立川市からも17kmほどの距離にある五日市線の終着・武蔵五日市駅から、さらに西へ行くとたどり着く。村には、自転車で山村を駆 […]

12/27/2018

あえて書き間違えるならば“羨山しい”山と村がある。東京唯一の村だという檜原村。東京の西部、国立市や立川市からも17kmほどの距離にある五日市線の終着・武蔵五日市駅から、さらに西へ行くとたどり着く。村には、自転車で山村を駆けて楽しむ方法を知る案内人がいて、あらゆる楽しみ方を教えてくれる。地域の魅力を探るにはやっぱり土地の人の導きが必要で、特にそのフィールドが山や森ならば、なおさらだろう。まちから移り住んだ青年が何年もかけて里山を知り尽くした末に、訪れる人の巡りたい・知りたい・楽しみたいを、存分に叶えてくれる。彼らは東京の裏山というふうにも言っているのだけど、大きすぎる街トウキョウには、すぐ裏に美しく豊かな里山があって、そこには、まちと山の掛け橋になる人もいることが何より羨ましいし憧れてしまう。
11月に開催した自転車ランデブーでは、“山と、まち”が近い理想的なまち、大阪府の茨木市で里山を駆け巡った。遠くへ行かなくてもすぐそばに自然が広がっていて、フィールドを思いきり楽しめる。ただ、思いのほか急坂も多いという土地柄や交通手段のこともあって、まちと山の間にはまだ距離もあるようで、まちぐるみでの努めと時間が必要だと感じた。同時に、自転車と自転車に乗る人が、まちと山の架け橋になれると感じられる機会でもあった。それは、檜原村の案内人や茨木に暮らすサイクリストに共通する「訪れた人に、土地への愛着をもってもらいたい」という想いに触れることができたからだ。茨木で出会った親愛なる自転車乗りのふたりは、地震や台風で散々の山道の清掃活動を継続的に行おうと立ち上がった。地域の人とのコミュニケーションを大切にし、寄り添おうとする心がそこにはたしかにあった。
ツール・ド・ニッポンでも、まずは、地元の自転車乗りを探すところから旅が始まる。それは、彼らの目線が、地域の魅力を探るうえではかかせないからだ。やや、自転車乗りびいきであるかもしれないけれど、そんな自転車乗りに出会うたび「やっぱり自転車乗りに悪い人はいないなぁ」とニンマリするのだ。
まちと山を駈ける、掛ける、自転車。そして、あらためて自分もそんな掛け橋になりたいと思えた。
ひのはらいど  hinoharide.tokyo
KURASHI www.kurashicycle.jp