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中世の細道を抜けて、バルセロネータを目指す

旧市街と呼ばれるエリアでは歩を進めるたびに、バルセロナの歴史が体に染みいってくる。中世のたたずまいを遺す石畳の細道を進み、なにげなく入ったバルの名は「Mundia(l =世界)」。なかに入ると、陽気なシェフのフランセスク […]

10/08/2013

旧市街と呼ばれるエリアでは歩を進めるたびに、バルセロナの歴史が体に染みいってくる。中世のたたずまいを遺す石畳の細道を進み、なにげなく入ったバルの名は「Mundia(l =世界)」。なかに入ると、陽気なシェフのフランセスクがその名の由来について熱く説明してくれた。
「もともとこの2階はボクシングジムだった。ヨーロッパ王者になったベン・アリなんていうボクサーもここで練習しててね。だからここにはたくさんのボクサーが食べにきてたんだ。世界を目指すボクサーが来るとあってMundialと名づけた。オープンして90年以上になるよ」
店内には100年ほど前のボクサーや街の写真がびっしりで建物も風格満点。タイムスリップしたかのような雰囲気のこのバルは地元だけではなく海外からの観光客も多いという。
タパスをたっぷりと楽しんだ後は、世界遺産にも登録されるカタルーニャ音楽堂へ。ガウディの師、ドメネク・ムンタネの手による荘厳な建築は旧市街のランドマーク。いまでもクラシックやフラメンコ、ジャズなどあらゆるジャンルのライヴが年300以上も開催されている。ムンタネがテーマとしたキーワードは「Joy Life」。太陽光をたっぷりと採り入れられる天井、壁面のステンドグラスによって、豊かな自然の恵みを感じながら音楽を楽しめるようにと細部にまで工夫が凝らされている。弟子のガウディに連なるような、自然のデザインをいただくという思想が存分に感じられる場所だ。
時計を見るともう6時。でも陽は高い。10分も歩けば、人でにぎわうビーチ「バルセロネータ」だ。五輪を機に再整備され美しく生まれ変わったという1km超の白砂の帯。いまはここで、歴史の本を読みふけりたい気分だ。
» PAPERSKY’s BARCELONA | SWIM Issue (no.42)