アドービの集落と小さな教会に魅せられて| O’Keeffe’s New Mexico 4

タオスはサンタフェから100kmほど離れた、砂漠の荒地にたたずむ街だ。オキーフが半生を過ごすことになるニューメキシコとの出合い、そのきっかけになったのがタオスである。1920年代、プエブロ族のトニー・ルーハンと結婚したソ […]

02/04/2019

タオスはサンタフェから100kmほど離れた、砂漠の荒地にたたずむ街だ。オキーフが半生を過ごすことになるニューメキシコとの出合い、そのきっかけになったのがタオスである。1920年代、プエブロ族のトニー・ルーハンと結婚したソーシャライツ、メイブル・ドッジ・ルーハンはタオスに芸術家のサロンをつくっており、D.H.ロレンスといったアーティストが集まっていた。オキーフはそこに招かれたのだ。何事につけて干渉してくるメイブルを、オキーフは煩わしく思っていたようだが、タオスで目にするあらゆるものはすばらしかった。標高の高いニューメキシコの太陽は強烈で、その光のなかで見つめる砂漠や花や山々は、まったく異なる色彩を得ているように思われた。オキーフは1929年から3年間、夏の数ヶ月をタオスで過ごしている。
タオスにほど近い、ランチョス・デ・タオスという小さな村の、スペイン植民地時代の教会、サンフランシスコ・デ・アシス教会にはとりわけ心を動かされた。まるで大地から湧き出たようなどっしりとした造形を、何枚かのスケッチと7枚の油彩画に描いている。また、自然と静寂を愛するトニーとは馬が合い、彼が生まれたプエブロ族の集落、タオス・プエブロへも案内された。オキーフは何度かここへ戻っては、日傘とイーゼルを立て、粘土と藁でつくられたアドービの伝統的な家々の絵を描き続けた。
700人以上ものアーティストが暮らすタオスは、今も変わらずアートの街だ。タオス・プエブロに見られる先住民の伝統とスペイン植民地時代の文化が、渾然一体となった場所。オキーフをインスパイアしたタオスは、エキゾチックな魅力で現代のアーティストたちを惹きつける。
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