Day6 網走~北見~音威子府|ビッキ終焉った。の地でゴールを迎える

最終日となる6日目。日本最北に位置する稚内の少し手前にある音威子府村がこの旅のゴールだ。目的は、彫刻家・砂澤ビッキの記念館に行くこと。網走、北見に立ち寄った後、ほぼノンストップで車を走らせ4時間、北海道でいちばん人口の少 […]

10/30/2019

最終日となる6日目。日本最北に位置する稚内の少し手前にある音威子府村がこの旅のゴールだ。目的は、彫刻家・砂澤ビッキの記念館に行くこと。網走、北見に立ち寄った後、ほぼノンストップで車を走らせ4時間、北海道でいちばん人口の少ない村、音威子府に到着した。
旭川生まれのビッキは、阿寒、鎌倉、旭川、札幌と居を移し、1978年に音威子府にやってきた。天塩川の近くにある筬島という集落で、廃校になった小学校をアトリエ兼自宅にして制作に励む。1989年に没後、2004年からは彼の作品を収めた記念館となり、ビッキが生涯制作した約1,000点の作品のうち、およそ200点余りを展示している。
風、土、光、そして樹。自然万物と対峙し、視覚や触覚で感じ取れる“かたち”にしようと試みたビッキの作品は、ダイナミックかつ豪快でありながら、繊細で優しさにあふれ、樹への純粋無垢な愛情がそのまま形となって現れる。「風の回廊」「トーテムポールの木霊」「アトリエ:午前3時の部屋」など、ビッキが過ごした跡地での展示だけに、彼の息づかいまでもが聞こえてきそうな魅力的な空間が広がっている。必見は、第2のアトリエ「D型ハウス」。ビッキはここで『四つの風』に代表される大きな作品を制作した。樹齢600年におよぶ、ミズナラの巨大な切り株の圧倒的な存在感に思わず手を止めてしまったという未完の大木もそのままここにある。音威子府村の大地を踏みしめたときに、ここで樹の心を掴めると思ったと語るビッキ。当時、彼が目にした風景はどんなだったろうか。音威子府村と邂逅したビッキが魅了された景色に思いを馳せながら、この旅はクライマックスを迎えた。
 
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