サハラ、遊牧民のライフスタイル|砂漠の朝

モロッコのもうひとつのライフスタイルを探しに、サハラにある街メルズーガを目指した。メルズーガにはサハラ砂漠の大砂丘のひとつ「レルグ・シェビ」があり、またこの一帯には、「ブルーマン」と呼ばれる青い装束に全身を包んだベルベル […]

10/17/2011

モロッコのもうひとつのライフスタイルを探しに、サハラにある街メルズーガを目指した。メルズーガにはサハラ砂漠の大砂丘のひとつ「レルグ・シェビ」があり、またこの一帯には、「ブルーマン」と呼ばれる青い装束に全身を包んだベルベル人の部族が暮らしている。かつてブルーマンたちはテントで生活し、ラクダに乗ってサハラを移動する遊牧の民だった。今はメルズーガをはじめ周辺のオアシスの村に定住し、観光客に砂丘をガイドすることを生活の糧としているという。アトラス山脈のハードな山道を越えて、マラケシュから車で10時間。そこには都会の日常とはかけ離れた、もうひとつの日常があった。
砂漠の日の出を見ようと、早朝4時半起きで私たちはラクダの背にまたがりレルグ・シェビ砂丘の奥地へと出発した。若いブルーマンが先頭に立ち、私たちが乗っているラクダにつないだ縄を引っ張って歩いていく。吹き抜ける風によって刻々と姿を変える砂漠を迷うことなく進む彼らは、太陽の位置や風の流れで進むべき方角がわかるのだという。悠々とした足取りで進む後姿を見ていると、遊牧をやめてしまったとはいえ、彼らの細胞のなかには遊牧の民としてのDNAがしっかりと埋めこまれているように思えた。日の出を待つ薄暗い砂漠のなか、聞こえるのはビューッと吹き抜けていく風の音だけ。
30分ぐらい進むと、砂丘の輪郭を赤く染めるように太陽が姿を現した。するすると太陽が上がっていくと、それまで少し涼しかった砂漠もあっという間に暑くなる。砂漠はなんて太陽の影響を受けやすいのだろうと思ったとき、3憶8,000年前のデボン紀はメルズーガ一帯が海のなかだったという話をふいに思いだした。その証拠にアンモナイトの化石が今でも採掘されて、いいみやげ品になっている。今の乾ききった姿からは想像できないけれど…。
This story originally appeared in Papersky No.26.
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